13日の日経平均は6営業日ぶりに反落。330.30円安の26119.52円(出来高概算14億7000万株)で取引を終えた。注目された米消費者物価指数(CPI)の伸び率が鈍化し、利上げペースの鈍化への思惑から円相場が昨年6月以来となる1ドル=128円台へと円高が進んだため、輸出関連株を中心に売りが先行。日経平均は前場終盤に26090.84円まで下げ幅を広げた。ただ、半導体関連株などハイテク株の一角が堅調だったことが相場を支え、売り一巡後は26100円台でのもみ合い展開が続いた。

東証プライムの騰落銘柄は、値下がり銘柄が1100を超え、全体の6割超を占めた。セクター別では、銀行、鉄鋼、空運、証券商品先物など11業種が上昇。一方、輸送用機器、精密機器、食料品、ゴム製品など22業種が下落した。指数インパクトの大きいところでは、東エレク<8035>、アドバンテス<6857>、7&iHD<3382>、第一三共<4568>がしっかりだった半面、ファーストリテ<9983>が下落し、1銘柄で日経平均を約217円押し下げたほか、ソフトバンクG<9984>、リクルートHD<6098>が軟化した。

12月の米CPIは総合指数が前月比で2年半ぶりにマイナスとなり、米インフレ圧力の減速傾向が強まって、利上げペースの鈍化への思惑が改めて強まった。これを受け、米国市場では主要株価指数がそろって続伸したが、東京市場ではCPIを受けて円高が進行したため、為替メリットのはく落を警戒して、自動車など輸出関連株中心に値を消したことが相場の重荷になった。また、前日に第1四半期決算を発表したファーストリテが一時9%超下落したことも投資家心理の悪化につながったようだ。

市場は来週の日銀金融政策決定会合の結果に注目が集まっている。政策修正への思惑が日に日に強まっているだけに、実際にさらなる政策修正が行われるのかどうかがポイントだろう。また、決定会合に合わせて、経済・物価情勢の展望(展望リポート)も公表される。展望リポートでは、物価見通しの引き上げが検討されている。政府と日銀が定めた共同声明は、「物価安定の目標を消費者物価(CPI)の前年比上昇率で2%をできるだけ早期に実現することを目指す」としていた。この共同声明が大規模金融緩和の根拠となってきただけに、CPIの2%突破が実現すれば、政策修正への思惑が一段と高まりかねない。

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情報提供元: FISCO
記事名:「 米CPIを受けた円高を嫌気して輸出関連株を中心に売られる【クロージング】