27日の日経平均は小幅続伸。42.00円高の26447.87円(出来高概算8億8000万株)で取引を終えた。前日の米国市場はクリスマスの振替で休場だった。グローベックスの米株先物が上昇していたため、指数インパクトの大きい値がさ株を中心に買い優勢の展開。中国のコロナ対策緩和により、リオープン関連株への買いが強まった。日経平均は取引開始直後に26620.49円まで上昇したが、クリスマス明け後の海外市場の動向を見極めたいとするムードのなか、その後は26400円台でこう着感が強まっていた。

東証プライムの騰落銘柄は、値上がり銘柄が1300に迫り、全体の約7割を占めた。セクター別では、小売、銀行、空運、サービス、水産農林など26業種が上昇。一方、輸送用機器、電気機器、機械など7業種が下落した。指数インパクトの大きいところでは、ファーストリテ<9983>、資生堂<4911>が堅調で、ファーストリテ1銘柄で日経平均を約56円超押し上げた。半面、東エレク<8035>、信越化<4063>、アドバンテス<6857>が軟調だった。

米株先物が堅調に推移していたため、休み明けの米国市場の値上がりを見越して、買いが先行したほか、短期筋による先物買いも入った。また、中国政府が26日、入国時の隔離義務を来年1月8日に解除すると発表したことで、中国経済の回復への思惑からコンビニや百貨店など小売株に投資資金がシフトした。さらに、「国土交通省は日本上空を飛行できる航空機を2025年春までに1割増やす」と一部で伝わったため航空株や旅行・レジャー関連株にも食指が向かった。一方、朝高で始まった半導体関連株など輸出株がマイナスに転じたため、これが相場全体に影響し、上値を重くしていた。

日経平均は5日線を上回り、心理的な節目である26500円台も一時突破するなど、ようやく買い気が感じられるようになったとの声も聞かれ始めるなど、掉尾の一振に対する期待感が徐々に広がりつつある。ただ、ここから一段と戻りを試すには市場エネルギー不足の感は否めない。また、主要国の中央銀行による金融引き締めが続き、景気が減速するとの懸念は根強いことも積極的な売り買いにつながっていないようだ。今週は本日引け後にJフロント<3086>、スギHD<7649>、明日がクスリのアオキ<3549>、DCM<3050>など小売企業の決算が発表される。これら決算を受けた個別物色の動きが強まりそうだ。

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情報提供元: FISCO
記事名:「 インバウンド関連株など個別物色が強まる【クロージング】