19日の欧米外為市場では、ドル・円は戻りの鈍い値動きを予想する。前週末の低調な米PMIが嫌気され、景気減速懸念のドル売りに振れやすい。一方、政府・日銀の共同声明見直しについて官房長官は否定したが、円売りは限定的となりそうだ。

前週末に発表されたPMIは製造業、サービス業がいずれも予想外に弱く、景気減速懸念のドル売りに振れ、ドル・円は137円前半から136円前半まで下落。一方、NY株式市場の軟調地合いでリスクオフのドル買いが強まり、ユーロ・ドルは1.0640ドル台から1.0580ドル台に値を下げた。週明けアジア市場は政府・日銀の政策協定見直しに関する思惑から窓を空けて寄り付いた後、松野官房長官の否定的な見解で円買いは抑制された。

この後の海外市場は米国経済や日本の金融政策が注目される。足元で発表された米経済指標は低調な内容が目立ち、連邦準備制度理事会(FRB)が引き締め緩和の見方から、長期金利が低下すればドル売りに振れやすい展開に。一方、政府と日銀の政策協定の修正が注目され、緩和的な政策を背景とした円売りは巻き戻されれば主要通貨を下押ししよう。政府は否定するものの、明日の黒田日銀総裁の発言を見極めるムードが広がりやすい。

【今日の欧米市場の予定】
・18:00 独・12月IFO企業景況感指数(予想:87.0、11月:86.3)
・24:00 米・12月NAHB住宅市場指数(予想:34、11月:33)

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情報提供元: FISCO
記事名:「 欧米為替見通し:ドル・円は戻りの鈍い値動きか、米減速懸念でドル買い後退