14日の日経平均は続伸。201.36円高の28156.21円(出来高概算9億8000万株)と1日以来約2週間ぶりに28000円を回復して取引を終えた。11月の米消費者物価指数(CPI)が前年同月比7.1%上昇となり、10月の7.7%から大幅に縮小し、市場予想(7.3%)も下回ったことから、米連邦準備理事会(FRB)の利上げ長期化への警戒が和らぎ、主要株価指数は続伸。東京市場でも値がさハイテク株を中心に幅広く買われ、28000円を回復して始まった。その後は、為替の円高を背景に伸び悩む場面もあったものの、時間外取引で米株先物が堅調に推移しているため、日経平均は後場中盤にかけて28195.69円まで上げ幅を広げる場面も見られた。しかし、米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果やパウエルFRB議長会見の内容を見極めたいとの見方も強く、狭いレンジでの推移となった。

東証プライムの騰落銘柄は、値上がり銘柄が1200を超え、全体の7割近くを占めた。セクター別では、繊維製品、精密機器、鉱業、非鉄金属、水産農林、鉄鋼など29業種が上昇。一方、空運、陸運、倉庫運輸、銀行の4業種が下落した。指数インパクトの大きいところでは、東エレク<8035>、信越化<4063>、テルモ<4543>、ダイキン<6367>、リクルートHD<6098>がしっかりだった半面、資生堂<4911>、日本電産<6594>、SUBARU<7270>、JT<2914>が軟化した。

米CPIを受けて米金利が低下したことから、高PER(株価収益率)のハイテク関連株買いが東京市場にも波及した。また、米ユナイテッド航空が米ボーイングに中型機「787」を最大200機発注したと発表したことを受けて、ボーイングに炭素繊維を供給している東レ<3402>が大幅に続伸したほか、航空機向けのチタン需要が伸びるとの思惑から大阪チタ<5726>、東邦チタニウム<5727>、航空機向けの内装品を手掛けるジャムコ<7408>にも買いが波及するなどボーイング関連株が賑わった。

投資家の関心はFOMCの結果とパウエルFRB議長の会見内容となるが、直近の値動きからはアク抜けが意識されやすい状況であろう。FOMCでは0.5%の利上げはすでに織り込まれており、焦点はドットチャートで2023年末の政策金利が引き上げられるのかが焦点だろう。また、今回の利上げにより、「十分に制限的な金融政策スタンス」に近付きつつあることから、「継続的な利上げ」の文言を緩めてくるかが注目されそうだ。いずれにせよ、ナイトセッションで大きく動くと見られ、日中はリバランスの動きに向わせそうだ。


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情報提供元: FISCO
記事名:「 米利上げ長期化への警戒感が後退し、日経平均は28000円回復【クロージング】