2日の日経平均は大幅反落。448.18円安の27777.90円(出来高概算13億3000万株)で取引を終えた。米国の景気減速への警戒感や円高加速を背景にリスク回避の売りが幅広い銘柄に優勢となった。日経平均は前場終盤にかけて、27662.12円まで下げ幅を広げた。ただし、11月の米雇用統計の発表を控えているだけに、インフレ動向と米国市場の動きを見定めたいとの見方から次第に模様眺めムードが広がったほか、日銀による上場投資信託(ETF)買い観測が広がったため、売り一巡後は27700円台と日中の安値圏でのもみ合いが続いた。

東証プライムの騰落銘柄は、値下がり銘柄が1600を超え、全体の9割近くを占めた。セクター別では、33業種すべてが下落し、医薬品、不動産、卸売、精密機器、繊維製品などの下落が目立っていた。指数インパクトの大きいところでは、花王<4452>、資生堂<4911>、ソフトバンクG<9984>、アドバンテス<6857>、サイバーエージェント<4751>がしっかりだった半面、ファーストリテ<9983>、第一三共<4568>、KDDI<9433>、TDK<6762>、オリンパス<7733>が軟調だった。

1日の米国市場では、11月のISM製造業景況指数が49.0と市場予想の49.7を下回り、好不況の分岐点である50を2020年5月以来約2年半ぶりに下回ったことから、景気の減速懸念が台頭。また、円相場が1ドル=135円台へと円高進行が加速していることで、商品投資顧問業者(CTA)などの短期筋による先物売りも下げを拡大させる要因となり、日経平均の下げ幅は一時500円を超えた。一方、サッカーワールドカップ(W杯)の1次予選で日本が決勝トーナメント進出を決めたことから、サイバーエージェント、ハブ<3030>、ミズノ<8022>といったW杯関連株の一角に個人の投資資金が向かった。

日経平均はほぼ全面安商状となったが、積極的に売り崩す動きは見られなかった。今夜発表の11月の米雇用統計の内容が気掛かりだからだ。非農業部門雇用者数は前月比20万人増(前月は26万1000人増)、失業率は3.7%(前月が3.7%)、平均時給は前年比4.6%増(前月が4.7%増)と予想されている。このため、雇用統計の結果と米国市場の動きを見極めたいと考える投資家が多い。また、来週も11月のISM非製造業景況指数やミシガン大学の消費者信頼感指数などの経済指標の発表が予定されており、これらを確認したいとの見方が強まる可能性がありそうだ。


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情報提供元: FISCO
記事名:「 米景気減速への警戒感や円高加速で売り優勢の展開【クロージング】