30日前場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。


■株式見通し:こう着感の強い相場展開のなか、個人主体の中小型株などへの物色は引き続き活発
■菱洋エレク、23/1上方修正 営業利益42億円←36億円
■前場の注目材料:王子HD、傘下企業、東南アで液体紙パック生産、ベトナム新工場検討



■こう着感の強い相場展開のなか、個人主体の中小型株などへの物色は引き続き活発

30日の日本株市場は、こう着感の強い相場展開が継続しそうだ。29日の米国市場はNYダウが3ドル高だった一方で、ナスダックは65ポイント安とまちまちの展開。中国政府が高齢者対象にワクチン接種を強化する計画を発表したため経済再開への期待から、買い戻す動きが見られた。ただし、30日に米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長の発言を控えていることから買い戻しの動きも限られた。米長期金利の上昇からハイテク株は売られ、ナスダックは支持線として意識されている25日線での攻防。シカゴ日経225先物清算値は大阪比70円安の27990円。円相場は1ドル138円70銭台で推移している。

シカゴ先物にサヤ寄せする格好から、やや売り優勢の相場展開となり、日経平均は28000円を挟んでのこう着になりそうだ。日経225先物は足元で調整を継続しており、支持線として意識されている25日線に接近してきている。パウエルFRB議長の発言を受けた米国市場の動向を見極めたいとする様子見姿勢から積極的にポジションを傾けてくる動きはなさそうだが、短期的には25日線辺りを狙ったショートの動きは入りやすく、先物に振らされやすくなろう。また、パウエルFRB議長の発言が通過した後も、個人消費支出や雇用統計といった重要な指標の発表を控えていることもあり、ショートを仕掛けやすくしそうだ。

もっとも、足元での調整で押し目狙いの動きも限られているため、イベント通過後の押し目を狙ったスタンスであろう。FRB高官らのタカ派発言によりセンチメントを冷ます面はあるものの、12月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げペースを緩めるとの見方は根強いため、日経平均の25日線に接近する局面においては、その後のリバウンド狙いの押し目買いが強まろう。

本日はこう着感の強い相場展開のなか、下値の堅さも意識されやすく、個人主体の中小型株などへの物色は引き続き活発となろう。12月のIPOラッシュを控えるなか、IPO銘柄のほか、直近IPOなどへの短期的な値幅取り狙いの資金が集中しやすいとみられる。その他は、テーマ性のある銘柄へ物色といったところだろう。


■菱洋エレク、23/1上方修正 営業利益42億円←36億円

菱洋エレク<8068>は2023年1月期業績予想の修正を発表。売上高は1130億円から1230億円、営業利益を36億円から42億円に上方修正した。依然として先行きに不透明感が残る状況に変わりはないものの、第3四半期においては、半導体関連の需要が当初想定していた落ち込みには至らず、大口ビジネスの終息時期も後ろ倒しになったことから引き続き堅調に推移した。


■前場の注目材料

・NYダウは上昇(33852.53、+3.07)
・1ドル=138.60-70円
・VIX指数は低下(21.89、-0.32)
・米原油先物は上昇(78.20、+0.96)
・米国景気は拡大
・日銀は金融緩和を継続
・コロナ後の人流再開


・王子HD<3861>傘下企業、東南アで液体紙パック生産、ベトナム新工場検討
・ファインシンター<5994>電動車部品「リアクトルコア」8割増産、国内2ライン追加
・ゆうちょ銀行<7182>国内GP投資5倍の1000億円、成長の柱に
・トヨタ<7203>トヨタ・ホンダなど、中国で生産調整・操業停止、供給網混乱
・野村<8604>顧客別営業拡大で収益性改善、200億円コスト削減も
・三井物産<8031>本場インドで日本式カレー、壱番屋と2号店出店
・伊藤忠<8001>仏ロシと提携、太陽光パネルから貴金属回収
・CTC<4739>日本IBMとクラウド分野で協業拡大、システム移行支援など
・カネカ<4118>CO2と水素で生分解性ポリマー、兵庫・高砂に量産設備
・双日<2768>福島で香木「クロモジ」栽培、車販売と融合で新事業創出
・住友商事<8053>セツロテックと資本提携、ゲノム編集商材事業化
・スタンレー電<6923>京大と青色で高出力・高品質のレーザー動作に成功
・千代化建<6366>水素で仏アクセンスと協業、供給網事業化加速
・富士通<6702>クラウドERPを24年稼働、データ駆動型経営推進
・ADEKA<4401>ワンパック樹脂添加剤を増産、UAE合弁に新ライン
・東邦チタニウム<5727>神奈川に新触媒工場、ポリプロピレン製造向け
・花王<4452>第一三共ヘルスとライフケアで協業、皮膚関連OTC製品を共同開発


☆前場のイベントスケジュール

<国内>
・08:50 10月鉱工業生産(前月比予想:-1.8%、9月:-1.7%)

<海外>
・10:30 中・11月製造業PMI(予想:49.0、10月:49.2)
・10:30 中・11月非製造業PMI(予想:48.0、10月:48.7) <ST>
情報提供元: FISCO
記事名:「 前場に注目すべき3つのポイント~こう着感の強い相場展開のなか、個人主体の中小型株などへの物色は引き続き活発~