18日の欧米外為市場では、ドル・円は上げ渋る展開を予想する。米連邦準備制度理事会(FRB)当局者のタカ派的な見解を受け、ドル買い継続の見通し。ただ、前日の低調なフィラデルフィア連銀製造業景気指数により減速懸念の売りが見込まれる。

ブラード米セントルイス連銀総裁は前日の講演で、政策金利をさらに引き上げる必要性を強調するなどタカ派的な見解を示し、この日はドル買い優勢に。ユーロ・ドルは1.03ドル付近まで失速、ドル・円は140円70銭台に浮上。ただ、本日アジア市場で米金利先高観は続かず、ドル売りに振れた。また、北朝鮮が発射したミサイルは日本の排他的経済水域(EEZ)内に落下した可能性から、地政学リスクを意識した円買いが強まった。

この後の海外市場は具体的な手がかりが乏しいなか、米金融政策への思惑が交錯しやすい。前日はFRB当局者のタカ派姿勢が目立ったが、フィラデルフィア連銀製造業景気指数は予想外に悪化し、減速懸念のドル売りが強まる場面もあった。今週はFRBのタカ派的な当局者から引き締めに慎重な見方が示され、米金利の先高観を弱めている。ドル・円は足元で140円後半の売りが観測され、材料難から今晩も一段の上昇を抑制するとみる。

【今日の欧米市場の予定】
・17:30 ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁基調講演(欧州銀行会議)
・22:40 コリンズ米ボストン連銀総裁開会あいさつ(労働市場会議)
・24:00 米・10月中古住宅販売件数(予想:440.0万戸、9月:471.0万戸)
・24:00 米・10月景気先行指数(前月比予想:-0.4%、9月:-0.4%)


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情報提供元: FISCO
記事名:「 欧米為替見通し:ドル・円は上げ渋りか、米引き締め期待継続も減速懸念のドル売り