■NY株式:NYダウは56ドル高、インフレ改善を好感

米国株式市場は反発。ダウ平均は56.22ドル高の33592.92ドル、ナスダックは162.19ポイント高の11358.41で取引を終了した。良好な小売決算を好感した買いやインフレ指標の改善を受けた連邦準備制度理事会(FRB)の利上げ減速を期待した買いに、寄り付き後、大きく上昇。金利の低下で特にハイテク株の買いがけん引し相場をさらに押し上げた。その後、AP通信が情報局幹部の話として、ロシア軍のミサイルが北大西洋条約機構(NATO)メンバーであるポーランドに着弾し犠牲者がでたと報じたため地政学的リスク上昇を警戒した売りに、ダウは一時下落に転落。その後、国務省のパテル報道官が事実をまだ確認できないとしたため買いが再燃し、主要株式指数はプラス圏で終了した。セクター別では、食・生活必需品小売り、半導体・同製造投資が上昇した一方、電気通信サービスが下落。

ディスカウント小売りのウォールマート(WMT)は第3四半期決算で、利益が予想を上回ったほか、消費が底堅く、通期利益予想を上方修正し、買われた。ホームセンター運営のホームデポ(HD)は四半期決算で内容が予想を上回ったほか、需要の回復力が強いと楽観的な見通しを示し、上昇。また、動画配信のネットフリックス(NFLX)はアナリストが同社の投資判断を2段階引上げ、上昇した。また、半導体メーカーの台湾セミ(TSM)は、著名投資家のウォーレン・バフェット氏が運営するバークシャー・ハサウェイが台湾積体電路製造(TSMC)の株式を41億ドル余り購入したことが当局への届け出で明らかになり、上昇した。地政学的リスクの上昇で、軍事のレイセオン・テクノロジー(RTX)などが上昇。

FRBのクック理事やバー副議長は、「インフレがかなり高過ぎる」とタカ派姿勢を維持した。

HorikoCapitalManagementLLC


■NY為替:インフレ緩和期待でドル・円は一時137円68銭まで下落

15日のニューヨーク外為市場でドル・円は137円68銭まで下落後、139円69銭まで上昇し、139円26銭で引けた。10月生産者物価指数(PPI)が消費者物価指数(CPI)に続き伸びが鈍化したため、FRBの利上げピークも視野に入ったとの見方に金利低下に伴うドル売りに拍車がかかった。しかし、連邦準備制度理事会(FRB)高官がインフレが高過ぎると、タカ派姿勢を変えず追加利上げが必要と主張するとドルの買戻しが再燃。

ユーロ・ドルは1.0479ドルまで上昇後、一時1.0280ドルまで下落したが、1.0349ドルで引けた。米国の金利低下に伴うドル売りに上昇後、米情報局の幹部の話として、ロシアのミサイルにより北大西洋条約機構(NATO)メンバーであるポーランドのウクライナ国境付近で犠牲者がでたと報じられ、ユーロ圏の地政学的リスク上昇でユーロ売りが一時活発となった。ユーロ・円は145円00銭から143円35銭まで下落した。ポンド・ドルは1.2028ドルまで上昇後、1.1792ドルまで下落。ドル・スイスは0.9357フランまで下落後、0.9475フランまで上昇した。


■NY原油:反発で86.92ドル、需要減少を想定した売りは一巡

NY原油先物12月限は反発(NYMEX原油12月限終値:86.92 ↑1.05)。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物12月限は、前営業日比+1.05ドルの86.92ドルで通常取引を終了した。時間外取引を含めた取引レンジは84.06ドル-88.68ドル。需要減少を想定した売りはロンドン市場の中盤で一巡し、84.06ドルまで下げた後、ニューヨーク市場の終盤にかけて88.68ドルまで戻す展開となった。通常取引終了後の時間外取引では主に87ドルを挟んだ水準で推移。


■主要米国企業の終値

銘柄名⇒終値⇒前日比(騰落率)

バンクオブアメリカ(BAC)  37.70ドル   -0.06ドル(-0.16%)
モルガン・スタンレー(MS) 90.50ドル   +0.69ドル(+0.77%)
ゴールドマン・サックス(GS)382.88ドル  +0.52ドル(+0.14%)
インテル(INTC)        30.71ドル   +0.36ドル(+1.19%)
アップル(AAPL)        150.04ドル  +1.76ドル(+1.19%)
アルファベット(GOOG)    98.72ドル   +2.69ドル(+2.80%)
メタ(META)           117.08ドル  +2.86ドル(+2.50%)
キャタピラー(CAT)      234.59ドル  -1.91ドル(-0.81%)
アルコア(AA)         49.21ドル   +0.99ドル(+2.05%)
ウォルマート(WMT)      147.44ドル  +9.05ドル(+6.54%) <ST>
情報提供元: FISCO
記事名:「 15日の米国市場ダイジェスト:NYダウは56ドル高、インフレ改善を好感