18日の日経平均は反発。380.35円高の27156.14円(出来高概算11億株)で取引を終えた。英政府による減税策の撤回発表を受けて、世界の金融市場の混乱が落ち着くとの見方が広がり前日の米国株が大幅に上昇。東京市場も主力株中心に幅広い銘柄に買いが入り、取引開始直後には27229.88円まで上げ幅を広げた。ただ、心理的な節目である27000円を超えてくると戻り待ちの売りも散見された、前場半ばにかけて26910.10円まで上げ幅を縮めた。ただし、時間外取引での米国株価指数先物が堅調に推移しているほか、「英中銀は英国債市場が落ち着くまで量的引き締め(QT)の開始時期をさらに延期する方針」と海外メディアが伝えたことから、その後は27100~27200円台と日中の高値圏で推移した。

東証プライムの騰落銘柄は、値上がり銘柄が1600に迫り、全体の8割超を占めた。セクター別では、電気ガス、鉱業、石油石炭、パルプ紙を除く29業種が上昇し、精密機器、サービス、医薬品、保険、電気機器などの上昇が際立っていた。指数インパクトの大きいところでは、ファーストリテ<9983>、リクルートHD<6098>、エムスリー<2413>、東エレク<8035>、第一三共<4568>が堅調だった半面、ソフトバンクG<9984>、花王<4452>、セコム<9735>、ホンダ<7267>、スズキ<7269>が軟化した。

前日の米国市場は、10月のニューヨーク連銀製造業景況指数が総合でマイナス9.1となり、9月のマイナス1.5から低下し、市場予想のマイナス4も大きく下回った。これを受け、米景気の減速懸念から大幅な利上げが回避されるとの思惑も相場を支援する材料なった。また、円相場が一時32年ぶりとなる1ドル=149円台に下落したことが輸出関連株の支えになり、全般にも好影響を与えたようだ。

10月のニューヨーク連銀製造業景況指数は大きく悪化したが、関係者からは「単月だけでは不十分で、今後もインフレにピークアウト感がうかがえるのか確認する必要がある」と見方が多く、米経済指標の結果には注意が必要だろう。一方、日経平均は目先の戻りのめどとみられていた25日線水準を上回ってきたため、短期的には75日線水準である27500円近辺までの戻りは期待出来る可能性があろう。もっとも、日米ともに決算発表が本格化するため、業績動向を見極めたいと考える向きも多く、方向感はつかみづらそうだ。

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情報提供元: FISCO
記事名:「 金融市場の混乱回避を期待し買い戻しの動きが強まる【クロージング】