29日前場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。


■株式見通し:配当落ち分を吸収し、さらに上げ幅を広げる動きでセンチメント改善
■西松屋チェ、23/2下方修正 営業利益113億円←136億円、41万2000株の自社株買い決議
■前場の注目材料:いすゞ、来春にEVトラック投入、混流生産でコスト低減


■配当落ち分を吸収し、さらに上げ幅を広げる動きでセンチメント改善

29日の日本株市場は、ギャップアップからリバウンド基調が強まりそうだが、次第にこう着感の強い相場展開になりそうだ。28日の米国市場はNYダウが548ドル高だった。英国中銀が長期国債市場に介入し、英政府が提示した大型減税計画による影響を警戒した金融市場の混乱を鎮静化させたため、安心感から買いが先行した。米長期金利が大幅に低下するなか、消費関連は景気敏感株を中心に買われ、NYダウをけん引。シカゴ日経225先物清算値は大阪比560円高の26480円。円相場は1ドル144円20銭台で推移している。

シカゴ先物にサヤ寄せする格好から、ギャップアップで始まろう。昨日の日経平均は26200円を下回って終えていたため、9月末の配当落ちを考慮した場合、26000円を下回ってくるため、調整トレンドが一段と強まるとの警戒もあったが、欧米市場の上昇の流れを受けて配当落ち分を吸収し、さらに上げ幅を広げる動きが見込まれるなか、センチメントは改善に向わせよう。足元ではボリンジャーバンドの-2σに上値を抑えられる格好での調整が続いていただけに、-2σを上回ってくるようであれば、前日の26000円割れで、目先的な底入れとの見方にも向かわせやすく、押し目待ち狙いの買い方も動きやすくなる可能性が期待される。

月末にかけては日経平均の定期入れ替えに伴う需給が重しとなるものの、想定されている需給イベントであるため、押し目狙いの好機との見方に向かわせることも考えられよう。また、昨日の下落の一因だったアップルについては、一時5%近く下落する場面が見られたものの、その後は下落幅を縮めており、1.2%程度の下落だった。楽観視は禁物ではあるものの、昨日大きく売られていたハイテク株の一角には、自律反発狙いの買いも入りやすく、これが日経平均を支える動きにもなりそうだ。

そのほか、昨日はインバウンド関連など足元で強い動きを見せていた銘柄についても、地合い悪化から利益確定の動きが強まる局面も見られていた。テーマ株などへの物色についても仕切り直し的に資金流入が意識されやすいだろう。なお、VIX指数は低下したものの、依然として30.00を上回っているため、米国の金融引き締めが世界的な景気減速を招くとの警戒はくすぶっている。買い一巡後は短期的な値幅取り狙いの動きが中心になりそうだ。



■西松屋チェ、23/2下方修正 営業利益113億円←136億円、41万2000株の自社株買い決議

西松屋チェ<7545>は2023年2月期業績予想の修正を発表。営業利益は136.00億円から113.50億円に下方修正した。急速な円安の進行や仕入原価などの高騰による影響から、売上総利益が低下することで、前回予想を下回る見込みとなった。なお、41万2000株の自社株買い決議している。


■前場の注目材料

・NYダウは上昇(29683.74、+548.75)
・ナスダック総合指数は上昇(11051.64、+222.13)
・シカゴ日経先物は上昇(26480、大阪比+560)
・1ドル=144.20-30円
・SOX指数は上昇(2427.26、+29.22)
・VIX指数は低下(30.18、-2.42)
・米原油先物は上昇(82.15、+3.65)
・米長期金利は低下
・米国景気は拡大
・日銀は金融緩和を継続


・いすゞ<7202>来春にEVトラック投入、混流生産でコスト低減
・日本製鉄<5401>日鉄インド合弁、1兆円投資、30年粗鋼生産3000万トンに弾み
・ダイキン<6367>インド売上高25年度倍増、現地法人CEO「空調需要爆発的に伸びる」
・エーザイ<4523>アルツハイマー薬、悪化抑制を治験で確認
・三菱商事<8058>米でアンモニア製造、拠点用地確保で現地事業者と覚書
・日本ガイシ<5333>リコーとVPPで共同出資会社、来年2月に事業開始
・大日本塗料<4611>関ペ子会社との共同会社解消を協議
・ニチコン<6996>三菱ふそうと提携、EVトラック充電器サービスに機器供給
・NEC<6701>「BB84方式」の量子暗号装置を年度内に製品化
・三菱ケミG<4188>機能商品強化、「電解液」世界シェア25%へ反撃
・東レ<3402>難病の肺動脈性肺高血圧症治療薬、中国で承認取得


☆前場のイベントスケジュール

<国内>
・特になし

<海外>
・特になし <ST>
情報提供元: FISCO
記事名:「 前場に注目すべき3つのポイント~配当落ち分を吸収し、さらに上げ幅を広げる動きでセンチメント改善~