24日の欧米外為市場では、ドル・円は下げ渋る展開を予想する。米国経済の減速懸念が強まり、ドルを下押しする可能性があろう。ただ、米連邦準備制度理事会(FRB)当局者はタカ派姿勢を崩さず、金利高ならドルは売りづらい地合いとなりそうだ。

前日発表された米経済指標で新規失業保険申請件数が前週を上回ったほか、PMIは製造業とサービス業がいずれも予想を下回った。それらを受け米金利が低下するとドル売り優勢となり、ドル・円は一時134円前半に下落。一方、ドイツのエネルギー不安でユーロ・ドルは1.0510ドル台に下げ、ドル・円を支えた。本日アジア市場はドル買い後退で欧州通貨が買い戻され、対円でも上昇。ドル・円はクロス円に追随した値動きとなった。

この後の海外市場は引き続き各国中銀の政策に思惑が広がりやすい。ドイツ経済の不透明感で域内経済の減速が警戒されれば、ユーロ売りに振れドルを押し上げる要因となりそうだ。他方、FRB当局者は記録的なインフレを抑止するためタカ派姿勢を強めており、金利の低下が限定的ならドルへの買戻しが想定される。ドル・円は心理的節目の135円を割り込んだものの、134円台は押し目買いが観測され、目先は値を戻す可能性もあろう。

【今日の欧米市場の予定】
・17:00 独・6月IFO企業景況感指数(予想:92.8、5月:93.0)
・20:30 ブラード米セントルイス連銀総裁討論会参加(中銀とインフレ)
・23:00 米・5月新築住宅販売件数(予想:59.0万戸、4月:59.1万戸)
・23:00 米・6月ミシガン大学消費者信頼感指数確報値(予想:50.2、速報値:50.2)
・05:00 デイリー米サンフランシスコ連銀総裁講演


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情報提供元: FISCO
記事名:「 欧米為替見通し:ドル・円は下げ渋りか、米FRBのタカ派姿勢でドル買戻しも