21日の欧米外為市場では、ドル・円は底堅い値動きを予想する。日米金融政策を背景とするドル買い・円売りの流れに変わりはない。G7財務相会合は特に円安を抑制する手がかりとはならず、ドルは対円で上昇基調を維持しそうだ。

前日の取引でドル・円は一時129円台半ばに浮上後、利益確定売りに押され127円半ばに急落。欧州中銀(ECB)当局者の金融正常化に前向きな見解を受け、ユーロ買いが強まる場面もあった。本日アジア市場はG7財務相会合が注目されたが、日銀による緩和的な金融政策の堅持を受けた円安を抑制する要因にはならず、円売り地合いに振れた。また、米10年債利回りは持ち直しを受けたドル買いで、ドル・円は下値の堅さが目立つ。

この後の海外市場は国際通貨基金(IMF)主催の討論会に参加する要人の発言が手がかりとなりそうだ。米連邦準備制度理事会(FRB)や欧州中銀(ECB)、英中銀など主要中銀は金融正常化路線のため、日銀の緩和政策堅持を背景とした円売りの流れを変えるのは困難だ。また、日米財務相会談が設定されたとしても一段のドル高・円安を抑制する方針で一致するとは考えづらく、ドル・円は目先の上値メドである130円台を目指す展開とみられる。

【今日の欧米市場の予定】
・18:00 ユーロ圏・3月消費者物価指数改定値(前年比予想:+7.5%、速報値:+7.5%)
・21:30 米・先週分新規失業保険申請件数(予想:18.0万件、前回:18.5万件)
・21:30 米・4月フィラデルフィア連銀製造業景況指数(予想:21.7、3月:27.4)
・23:00 米・3月景気先行指数(前月比予想:+0.3%、2月:+0.3%)
・23:00 ユーロ圏・4月消費者信頼感指数速報値(予想:-20.0、3月:-18.7)
・01:30 ベイリー英中銀総裁講演
・02:00 パウエル米FRB議長とラガルドECB総裁がIMFパネル討論会参加(世界経済)



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情報提供元: FISCO
記事名:「 欧米為替見通し:ドル・円は底堅い値動きか、要人発言にらみドル高・円安継続