■NY株式:NYダウ166ドル安、対ロ制裁強化を警戒

米国株式市場はまちまち。ダウ平均は166.15ドル安の33892.60ドル、ナスダックは56.78ポイント高の13751.40で取引を終了した。ウクライナ危機を受け政府はロシア中銀との取引禁止を発表するなど、対ロ制裁を強化したため、寄り付き後、下落。ロシアのプーチン大統領も報復制裁を発表すると、警戒感が強まり一時下げ幅を拡大した。同時に、ロシアとウクライナが初の停戦協議を開催、一定の成果が見られ、近く2度目の開催で合意したことが報じられたほか、金利の低下に伴うハイテクの上昇にも支えられ、引けにかけダウは下げ幅を縮小した。セクター別では、自動車・自動車部品やエネルギーが上昇した一方、銀行や不動産が下落。

防衛のロッキード・マーチン(LMT)や総合軍事会社のゼネラルダイナミックス(GD)、航空機メーカーのレイセオン・テクノロジーズ(RTX)はウクライナ危機を受けた需要増の思惑に、それぞれ上昇。また、サイバーセキュリティサービスを提供するクラウド・ストライク・ホールディングス(CRWD)も、ロシアによるサイバー攻撃拡大を警戒した需要増加を見込み上昇した。電気自動車メーカーのテスラ(TSLA)はアナリストの投資判断引上げで上昇。一方で、他銀に比べてロシアのエクスポージャーが大きいシティグループ(C)は下落した。

ビデオ会議サービスを運営するズームビデオ(ZM)は取引終了後に決算を発表。内容は予想を上回ったが、見通しで成長ペースの鈍化を警告し、時間取引で売られている。

Horiko Capital Management LLC


■NY為替:米長期金利低下でドル売り優勢

2月28日のニューヨーク外為市場でドル・円は115円52銭から114円86銭まで反落し、114円95銭で引けた。ロシアのプーチン大統領が核兵器の使用も除外しない意向示すなど、リスクが上昇する中、欧米諸国はロシア中央銀行との取引禁止を発表するなど対ロシア制裁を一段と強化。ロシア側は報復制裁を発表し、リスク回避の円買いが優勢となった。さらに、予想を下回った米経済指標を受けて、年内の連邦準備制度理事会(FRB)の利上げ観測も緩和。長期金利の低下に伴いドル買いは後退した。

ユーロ・ドルは1.1179ドルから1.1246ドルまで上昇し、1.1218ドルで引けた。米国の長期金利低下に伴うドル売りに上昇も、ポルトガル中銀のセンテノ総裁はウクライナ侵攻でスタグフレーションも否定せずと発言し、ユーロは伸び悩んだ。ユーロ・円は129円65銭から128円76銭まで下落。ポンド・ドルは1.3432ドルまで上昇後、1.3386ドルまで反落した。ドル・スイスは0.9235フランから0.9166フランまで下落した。


■NY原油:反発で95.72ドル、株安を意識して上げ幅は縮小

NY原油先物4月限は、反発(NYMEX原油4月限終値:95.72 ↑4.13)。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物4月限は、前営業日比+4.13ドルの95.72ドルで通常取引を終了した。時間外取引を含めた取引レンジは94.43ドル-99.10ドル。アジア市場で99.10ドルまで買われたが、その後はウクライナウ情勢をにらんで利食い売りが増えたことで伸び悩み、ニューヨーク市場の中盤にかけて94.43ドルまで反落した。ただ、通常取引終了後の時間外取引で買い戻しが入り、96ドル近辺で推移している。


■主要米国企業の終値

銘柄名⇒終値⇒前日比(騰落率)

バンクオブアメリカ(BAC)  44.20ドル   -0.82ドル(-1.82%)
モルガン・スタンレー(MS) 90.74ドル   -3.81ドル(-4.03%)
ゴールドマン・サックス(GS)341.29ドル  -8.83ドル(-2.52%)
インテル(INTC)        47.70ドル   -0.01ドル(-0.02%)
アップル(AAPL)        165.12ドル  +0.27ドル(+0.16%)
アルファベット(GOOG)    2697.82ドル +7.43ドル(+0.28%)
フェイスブック(FB)     211.03ドル  +0.55ドル(+0.26%)
キャタピラー(CAT)      187.58ドル  +0.52ドル(+0.28%)
アルコア(AA)         75.34ドル   -2.51ドル(-3.22%)
ウォルマート(WMT)      135.16ドル  -1.22ドル(-0.89%) <ST>
情報提供元: FISCO
記事名:「 28日の米国市場ダイジェスト:NYダウ166ドル安、対ロ制裁強化を警戒