18日の日経平均は続落。110.80円安の27122.07円(出来高概算11億2000万株)で取引を終えた。ウクライナ情勢の緊迫化から朝方は売りが優勢となり、前場半ばには一時26792.54円まで売られる場面が見られた。その後、米ロ外相会談が来週にも行われるとの一部報道を背景にウクライナ情勢の緊張緩和への思惑から買い戻しの動きが強まり、急速に下落幅を縮めるなど、ウクライナ情勢に関連した報道などに大きく振らされる相場展開だった。

東証1部の騰落銘柄は、値下がり銘柄が1100を超え、全体の過半数を占めた。セクター別では、海運、輸送用機器、医薬品、鉄鋼、その他製品など11業種が上昇。一方、鉱業、ゴム製品、空運、銀行、石油石炭など22業種が下落した。指数インパクトの大きいところでは、ファーストリテ<9983>、ソフトバンクG<9984>、第一三共<4568>、中外薬<4519>、トヨタ<7203>がしっかりだった半面、東エレク<8035>、ファナック<6954>、アドバンテス<6857>、リクルートHD<6098>、日東電工<6988>が軟調だった。

バイデン米大統領は17日、「ロシアによるウクライナ侵攻の可能性が非常に高い。数日以内にも起こり得る」との見方を示すなど、ウクライナ情勢の緊迫感が強まっていることから、リスク回避の動きとなった欧米市場の流れを引き継ぎ売り優勢で始まった。その後は、「ブリンケン米国務長官はロシアのラブロフ外相と来週会談する」と海外メディアが報じたことから、ヘッジファンドなどの短期筋による買い戻しの動きが広がったほか、時間外取引での米国株先物が上昇していることも投資家心理の改善に寄与した。

来週も引き続きウクライナ情勢に関する報道をにらみながらボラティリティの高い展開が続くと予想される。ただ、市場では「過去の地政学リスクが発生時は、事前に予見された事象の場合、調整は比較的短期間で終えるケースが大半だった」とされる。今回も短期的には注視する必要はあるが、中長期的には絶好の買い場になると見ている向きもいる。いずれにしても、目先は来週に行われる予定の米ロ外相会談の行方が注目されることになるだろう。

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情報提供元: FISCO
記事名:「 ウクライナ情勢に関連した報道に大きく振らされる【クロージング】