欧州中央銀行(ECB)は定例理事会で市場の予想通り政策金利据え置きを決定した。ラガルド総裁は会合後の会見で、1月のインフレ上昇が「驚き」としたほか、インフレ高進が想定以上に長引いたとの見解を示した。さらに、インフレ見通しリスクで、「上向きに傾斜」としたほか、経済もECB中期の目標達成に近づいているとしており、利上げの可能性を示唆した。

ただ、利上げの条件達成はまだ先で、まず、パンデミック緊急プログラム(PEPP)を終了、その後、、通常の資産購入プログラム(APP)を見直すとし、利上げを検討するのはそののちになるとの緩和解除の軌道を説明した。

更なる指標や委員の予想がでる3月には、状況がより確実になるとし、3月、6月の会合が重要となると指摘した。

ECBの政策担当者は、3月に政策見通しを調整する可能性に備えていると、事情に詳しい複数の関係者も明らかにしているという。資産購入プログラム(APP)による債券購入を7-9月に終了させることもあり得ると判断している。

結果を受けて、金利先物市場でのECBの9月までの利上げ確率が上昇。ユーロを押し上げた。

ユーロ・ドルは1.1280ドルから1.1433ドルまで上昇し、1月17日来の高値を更新。ユーロ・円は131円33銭まで上昇し、1月13日来の高値を更新した。ユーロ・ポンドは0.8304ポンドから0.8400ポンドまで上昇した。

【金融政策】
・欧州中央銀行(ECB)
・主要政策金利を0.00%に据え置き
・預金ファシリティ金利(中銀預金金利、下限)を-0.50%に据え置き
・限界貸出金利(上限)を0.25%に据え置き

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情報提供元: FISCO
記事名:「 NY外為:ユーロ急伸、ECBの年内の利上げ観測強まる