18日の日経平均は反落。76.27円安の28257.25円(出来高概算12億2000万株)で取引を終えた。17日の米国市場が休場で手掛かり材料に乏しいなか、前引けにかけて28500円を回復すると、日銀の金融政策決定会合の結果を受けて後場寄り付き直後には一時28690.34円まで上伸した。日銀会合では現状の大規模な金融緩和政策を維持しており、サプライズ感はないものの金融株が売られるなど、バリューからグロースへの巻き戻しの動きに。その後は米長期金利の上昇や原油相場の上昇、さらにナスダック100先物の下落などが嫌気され先物主導で売られる格好となり、後場半ばには28129.66円まで下落幅を広げる場面が見られるなど荒い値動きとなった。

東証1部の騰落銘柄は、値下がり銘柄が1500を超え、全体の7割超を占めた。セクター別では、鉱業、石油石炭、精密機器、陸運など7業種が上昇。一方、鉄鋼が5%を超える下げとなったほか、パルプ紙、ゴム製品、倉庫運輸、銀行、ガラス土石など26業種が下落した。指数インパクトの大きいところでは、ファーストリテ<9983>、キーエンス<6861>、ファナック<6954>、KDDI<9433>、太陽誘電<6976>が堅調だった半面、テルモ<4543>、TDK<6762>、ダイキン<6367>、京セラ<6971>、キッコーマン<2801>が軟化した。

朝方こそ、割安株中心に値を上げたほか、トヨタ<7203>が連日上場来高値を、三菱UFJ<8306>が昨年来高値を更新するなど主力銘柄中心に値を上げる銘柄が増加した。ただし、朝高後は利食いの動きが優勢となる反面、バリューからグロース株への巻き戻しの動きが目立ち始め、日経平均優位の展開に。節目の28500円を超えるとショートカバーを交えての上昇から25日線を突破する場面も見られた。しかし、その後は急速に値を消す格好から下げに転じるなど、先物主導の売買に振らされる格好だった。

注目材料の一つである日銀の黒田総裁の記者会見については、展望レポートでは、国内物価見通しが引き上げられたが、欧米と比較すれば、日本のインフレは限定的で、現時点での利上げ議論が開始される可能性は低いとの見方が大半だ。ただ、生活必需品の価格上昇は国民の不満を高めることになる可能性が高く、関係者からは「参院選を控える岸田政権が問題意識を強めれば、日銀に政策修正を迫る可能性はゼロではない」とみる向きもあり、黒田総裁がどのような発言をするのか、発言を受けて夜間取引の株価指数先物や為替市場がどのようには反応するのかもポイントとなりそうだ。

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情報提供元: FISCO
記事名:「 米金利上昇を警戒して、次第に売りが膨らむ【クロージング】