■NY株式:NYダウ106ドル安、高インフレでFOMCのタカ派傾斜を警戒

米国株式市場は続落。ダウ平均は106.77ドル安の35544.18ドル、ナスダックは175.64ポイント安の15237.64で取引を終了した。製薬会社ファイザー(PFE)やジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)製の新型コロナウィルスワクチンがオミクロン変異株感染における重症化を防いでいるとの南ア調査結果に加え、ファイザーのコロナ経口治療薬も入院や死亡リスクを大幅に低減させるとの治験結果を受け、オミクロン株への警戒感が後退し、寄り付き後、ダウは一時上昇。しかし、11月生産者物価指数(PPI)が予想を上回り、過去最大の伸びを記録すると、インフレ高進により連邦公開市場委員会(FOMC)がよりタカ派に傾斜することが警戒され下落に転じた。その後、世界保健機関(WHO)がオミクロン変異株感染の速さを警告すると、さらに売りに拍車がかかり、終日軟調に推移した。セクター別では銀行や保険が上昇した一方、ソフトウェアサービス、商業・専門サービスが下落。

銀行のバンク・オブ・アメリカ(BAC)やJPモルガン(JPM)は、金利収入の増加期待に軒並み上昇した。配車サービスのウーバーテクノロジー(UBER)は最高経営責任者(CEO)の「先週の予約が過去最高に達した」とする楽観的なコメントを好感し上昇。また、代替肉メーカーのビヨンドミート(BYND)やマイケルコースなどのブランドを運営するカプリ・ホールディングス(CPRI)はアナリストの投資判断引き上げで上昇した。一方、高級ブランドのラルフローレン(RL)はゴールドマンサックスによる投資判断の2段階引き下げを嫌気し、下落。電気自動車メーカーのテスラ(TSLA)はマスクCEOによる追加自社株売却を受けて下落した。

上院民主党は、債務上限を2.5兆ドル引上げることを盛り込んだ法案を提出した。

Horiko Capital Management LLC


■NY為替:ドル強含み、11月生産者物価指数は予想を上回る

14日のニューヨーク外為市場でドル・円は、113円43銭まで下落後、113円76銭まで上昇し、113円74銭で引けた。米11月生産者物価指数(PPI)が前年比で過去最大の伸びを記録したため、連邦準備制度理事会(FRB)の金融緩和縮小ペースの加速を正当化するとの見方が強まり、金利上昇に伴うドル買いに拍車がかかった。

ユーロ・ドルは1.1317ドルから1.1254ドルまで下落し、1.1257ドルで引けた。欧州中央銀行(ECB)が2023年、2024年にインフレは2%を割り込むと見ていることが明らかになり、ユーロ売りが優勢となった。ユーロ・円は128円51銭から128円01銭まで下落。リスク回避の円買いが優勢となった。ポンド・ドルは1.3256ドルから1.3220ドルまで下落。英国の11月失業率が低下しパンデミックで経済が封鎖される前の水準を回復。10月の賃金も予想以上の伸びとなり、ポンド買いを支援。しかし、国際通貨基金(IMF)がブレグジットやオミクロン変異株で英国の国内総生産(GDP)成長が弱まるとの見解を示すとポンド売りが強まった。ドル・スイスは0.9193フランから0.9245フランまで上昇した。


■NY原油:弱含みで70.73ドル、一時69.51ドルまで下落

NY原油先物1月限は、弱含み(NYMEX原油1月限終値:70.73 ↓0.56)。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物1月限は、前営業日比-0.56ドルの70.73ドルで通常取引を終了した。時間外取引を含めた取引レンジは69.51ドル-72.03ドル。ロンドン市場の序盤に72.03ドルまで買われたが、需給ひっ迫の思惑は後退し、ニューヨーク市場で70ドルを下回った。米国株安を意識した売りも観測されており、一時69.51ドルまで下落した。ただ、通常取引終了後の時間外取引で多少持ち直しており、70.88ドルまで戻している。


■主要米国企業の終値

銘柄名⇒終値⇒前日比(騰落率)

バンクオブアメリカ(BAC)  44.33ドル   +0.75ドル(+1.71%)
モルガン・スタンレー(MS) 98.99ドル   +1.82ドル(+1.87%)
ゴールドマン・サックス(GS)391.30ドル  +6.66ドル(+1.73%)
インテル(INTC)        49.78ドル   -0.23ドル(-0.45%)
アップル(AAPL)        175.11ドル  -0.64ドル(-0.36%)
アルファベット(GOOG)    2897.78ドル -36.31ドル(-1.24%)
フェイスブック(FB)     334.75ドル  +0.26ドル(+0.08%)
キャタピラー(CAT)      202.12ドル  +0.87ドル(+0.43%)
アルコア(AA)         50.56ドル   +2.78ドル(+5.82%)
ウォルマート(WMT)      145.10ドル  +1.53ドル(+1.07%) <ST>
情報提供元: FISCO
記事名:「 14日の米国市場ダイジェスト:NYダウ106ドル安、高インフレでFOMCのタカ派傾斜を警戒