9日の日経平均は3日ぶりに反落。135.15円安の28725.47円(出来高概算9億8000万株)で取引を終えた。朝方こそ底堅い値動きから28900円を回復する場面も見られたが、急ピッチの上昇に対する反動から利食い売りも出やすく、28800円を挟んだもち合いを継続。午後に入ると商いが細るなかで利食いの動きのほか、SQを控えたポジション調整の流れからやや下げ幅を広げ、28725.47円と本日の安値で取引を終えた。また、週末の米国では11月消費者物価指数(CPI)の発表を控えていることも手控え要因になったようである。

東証1部の騰落銘柄は、値下がり銘柄が1300を超え、全体の6割超を占めた。セクター別では、倉庫運輸、ゴム製品、空運など5業種が上昇。一方、繊維製品、精密機器、金属製品、電気機器など28業種が下落した。指数インパクトの大きいところでは、ソフトバンクG<9984>、キッコーマン<2801>、KDDI<9433>、塩野義<4507>、太陽誘電<6976>がしっかりだった半面、ファナック<6954>、東エレク<8035>、テルモ<4543>、中外薬<4519>、リクルートHD<6098>が軟化した。

日経平均は前日までの2日間で900円超上昇し、心理的な節目の29000円に接近してきたため、目先的には達成感も意識されやすく、利益確定売りが優勢となったと見られる。一方、米製薬大手ファイザーが8日、同社製ワクチンの3回目の接種によりオミクロン株が中和される可能性があるとの暫定的な試験結果を発表。コロナ変異株に対する懸念が日増しに後退しており、航空や旅行関連株の一角が買われるなど、センチメントは改善傾向にある。

ファイザーのブーラ最高経営責任者(CEO)はオミクロン株の予防効果についての詳細データは年内中に得られる可能性があるとの見通しも示しており、まだ確定結果ではない点には注意が必要だろう。また、来週は米連邦公開市場委員会(FOMC)という今年最後の重要イベントを控えているだけに、テーパリングの完了の前倒し決定や利上げ時期が早まるのか確認したいと考える向きが多い。11月のCPIの結果を受け、インフレ圧力が高まるとFOMCにも影響を与えかねないだけにCPIの結果と米金融市場の動きにも留意する必要がありそうだ。

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情報提供元: FISCO
記事名:「 急ピッチの上昇に対する反動から利食い売りも出やすく想定内の動き【クロージング】