28日の日経平均は続落。56.10円安の30183.96円(出来高概算15億株)で取引を終えた。27日の米国市場は長期金利の上昇や原油先物相場の強い値動きを背景に、グロースから景気敏感株へ資金シフトが見られた。この流れを受けた東京市場は、指数インパクトの大きい値がさハイテク株などの軟調地合いにより売り先行で始まり、寄り付き直後には30001.99円まで下落幅を広げる場面も見られた。

しかし、大台の3万円を割り込まなかったことから後場は持ち直し、底堅い値動きに。また、中国不動産市場の信用不安が高まるなか、香港市場では中国恒大や融創中国が大きく上昇したことが安心感に繋がった。さらに9月権利取りの動きにより引けにかけて、一時30207.63円と下落幅を縮める場面も見られている。

東証1部の騰落銘柄は値上がり数、値下がり数は拮抗。セクターでは鉱業、繊維、銀行、非鉄金属、石油石炭など15業種が上昇。一方で、海運が8%を超える下落となったほか、精密機器、空運、その他製品など18業種が下落した。指数インパクトの大きいところでは、ソフトバンクG<9984>、エーザイ<4523>、ホンダ<7267>、ダイキン<6367>、オムロン<6645>が上昇する半面、アドバンテスト<6857>、エムスリー<2413>、東エレク<8035>、テルモ<4543>が軟調。

米国市場でのハイテク株売りのほか、緊急事態宣言について30日で解除する方針を分科会が承認したことで、いったんは利益を確定させる動きにも繋がったと見られる。ただし、日経平均は大台の3万円を割り込まなかったことで押し目買い意欲の強さを確認すると、中国恒大や融創中国が大きく上昇したことが中国リスクへの警戒感を和らげたこともあり、買い戻しの流れとなった。また、9月権利取りの動きも引けにかけて入ったと考えられる。

明日は自民党総裁選の投開票となる。新総裁の決定で強弱感は対立する可能性はあるものの、政策期待は依然として高まっていることから、押し目買い意欲は強そうだ。また、今後は配当再投資による需給面での下支えも意識されよう。配当落ち分を考慮すると、日経平均は3万円近辺がニュートラルの水準であり、引き続き3万円処での底堅さが期待されそうである。

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情報提供元: FISCO
記事名:「 日経平均は3万円水準での底堅さを確認【クロージング】