NY外為市場でユーロは欧州中央銀行(ECB)の定例理事会を受けて乱高下した。

ECBは定例理事会で市場の予想通り政策金利の据え置きを決定。同時に景気回復にともない今後3カ月の緩和措置微調整により、パンデミック資産購入プロブラム(PEPP)のペース減速を決めた。APPはEU200億ユーロのペースを継続する。ラガルド総裁はこの決定が全会一致で、ECBがテーパリングをするわけではないと主張。

総裁は域内の経済の明らかな回復に言及。回復のスピードはパンデミックやワクチン接種動向次第だと指摘した。また、米連邦準備制度理事会(FRB)と同じく、最近の高インフレは一時的との見方を繰り返した。

ECBのPEPP減速発表を受けて、一時ユーロ買いが優勢となったが、ソフトテーパ—との見方にユーロの上昇は限定的となった。ユーロ・ドルは1.1841ドルまで上昇後、1.1808ドルまで反落し、伸び悩んだ。ユーロ・円は130円15銭から129円72銭まで下落し8月31日来の安値を更新。ユーロ・ポンドは0.8570ポンドから0.8538ポンドまで下落し、8月19日来の安値を更新した。

【金融政策】
・欧州中央銀行(ECB)
・主要政策金利を0.00%に据え置き
・預金ファシリティ金利(中銀預金金利、下限)を-0.50%に据え置き
・限界貸出金利(上限)を0.25%に据え置き

・欧州中央銀行(ECB)
「パンデミック資産購入プロブラム(PEPP)のペースを減速」
「ECBは今後3カ月の緩和措置を微調整した」
「APPは月EU200億ユーロのペースを継続へ」
「PEPPの購入は少なくとも2023年末まで再投資」
「インフレ率は一時的に目標をやや上回る可能性」
「債券購入を過去2四半期に比べ減速しても、良好な金融緩和維持可能」

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情報提供元: FISCO
記事名:「 NY外為:ユーロもみ合い、ECBのソフトテーパーで