24日の日経平均は続伸。237.86円高の27732.10円(出来高概算9億5000万株)で取引を終えた。前日の米国市場で主要株価指数が上伸したことを背景に、東京市場でも景気敏感株や値がさハイテク株などを中心に幅広く買い戻しの動きが継続。前場終盤にかけて一時27817.89円まで上伸した。ただ、急ピッチの上昇に対する警戒感などから戻り待ちの売りや目先の利益を確保する動きもみられ、後場の日経平均は60円程度の狭いレンジ推移となった。

東証1部の騰落銘柄は、値上がり銘柄数が1800に迫り、全体の8割超を占めた。セクター別では、海運が3.55%と上昇し、連日上昇率トップとなったほか、空運、鉄鋼、電気機器、金属製品など28業種が上昇。一方、ゴム製品、医薬品、銀行など5業種が下落。指数インパクトの大きいところでは、東エレク<8035>、エムスリー<2413>、ファーストリテ<9983>、ソフトバンクG<9984>、ソニーG<6758>が堅調。半面、オリンパス<7733>、ヤマハ発<7272>、テルモ<4543>、アステラス薬<4503>、中外薬<4519>が軟調だった。

週明けの米国市場は、米食品医薬品局(FDA)がファイザー製の新型コロナワクチンを正式承認に切り替えたため、安全性への信頼感からワクチン接種が進み、経済活動の正常化期待が高まった。NYダウは続伸、ナスダック総合指数は過去最高値を更新した。こうした流れを引き継いで、シクリカル銘柄の上昇が目立ったほか、米ハイテク株高の流れを受けて半導体・電子部品関連株などにも買いが波及した。

日経平均は28000円の大台を前に足踏みとなっている。関係者からは、今回の下落要因の一つとしてあげられる外資系証券による225先物への売り仕掛けがこの水準から始まっているため、再び仕掛け的な売りが出てくるのかが懸念されており、積極的に買い上がる雰囲気にはつながっていない。このため、足元の水準を大きく突破するには新たなきっかけ待ちの状況と言えそうだ。


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情報提供元: FISCO
記事名:「 米国株の上昇などを背景に買い戻しの動き続く【クロージング】