20日の日経平均は続落。267.92円安の27013.25円(出来高概算12億3000万株)で取引を終えた。前日の米国株安を映して海運や鉄鋼、非鉄といった景気敏感セクターや自動車などの輸出関連株などが売られた。また、中国や香港などアジア市場の不安定な値動きや時間外取引の米株先物も軟調のなか、先物安を映した裁定解消売りも加わり、後場終盤には一時26954.81円と取引時間中としては昨年12月29日以来約8カ月ぶりに27000円台を割り込んだ。

東証1部の騰落銘柄は、値下がり銘柄数が1400を超え、全体の6割超を占めた。セクター別では、電気・ガス、陸運、小売、その他製品など7業種が上昇。一方、海運が8.17%と大きく下落したほか、輸送用機器、非鉄金属、鉄鋼、ガラス土石など25業種が下落(変わらず1)した。指数インパクトの大きいところでは、エムスリー<2413>、京セラ<6971>、第一三共<4568>、KDDI<9433>、日東電工<6988>がしっかり。半面、ソフトバンクG<9984>、ファーストリテ<9983>、ファナック<6954>、デンソー<6902>、トヨタ<7203>が軟調だった。

新型コロナウイルスの変異株(デルタ株)の感染拡大が続くなか、経済活動の正常化への期待感も遠のいており、景気敏感セクターなどを中心に値を消す銘柄が目立っている。また、前日の取引終了後にトヨタが9月の大幅な減産を正式発表。トヨタが5月27日以来の9000円割れとなったほか、他の完成車メーカーや自動車部品メーカーなどにもマイナスの影響が波及し、地合いを悪化させた。

世界的に新型コロナウイルスの変異株(デルタ株)の感染拡大傾向が続いているほか、直近では、米国や中国の最新の経済指標も市場予想を下回るものが目立ち、景況感の改善鈍化が鮮明になりつつある。このため、グローバルにみて景気回復基調が後退し始めているだけに、世界の景気敏感株とみなされている日本株を積極的に手掛けようする向きは少ない。目先は下値模索の展開を余儀なくされそうだ。

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情報提供元: FISCO
記事名:「 景気敏感株を中心に幅広く売られ一時27000円割れ【クロージング】