6日の日経平均は小幅に続伸。91.92円高の27820.04円(出来高概算9億9000万株)で取引を終えた。前日までの上昇の反動から、半導体関連株などが売られ、小反落して始まった。ただ、好業績銘柄への物色意欲は旺盛であり、日経平均は寄り付きの27709.22円を安値に切り返し、寄り付き後早い段階で一時27888.87円まで上昇した。しかし、今夜に予定される米雇用統計の発表や、3連休を前にした持ち高調整売りも散見され、その後は27800円を挟んだこう着が続いた。

東証1部の騰落銘柄は、値上がり銘柄数、値下がり銘柄数ともに1000程度で拮抗していた。セクター別では、パルプ紙、石油石炭、精密機器、鉱業など18業種が上昇。一方、その他製品が2.67%と大きく下落したほか、倉庫・運輸、ゴム製品、水産農林など15業種が下落した。指数インパクトの大きいところでは、バンナムHD<7832>、NTTデータ<9613>、コナミHD<9766>、資生堂<4911>、太陽誘電<6976>が堅調。半面、ダイキン<6367>、信越化<4063>、キッコーマン<2801>、ファナック<6954>、テルモ<4543>が軟調だった。

引き続き好業績銘柄への物色意欲が強い展開だった。通期業績予想を上方修正したオリンパス<7733>や太陽誘電<6976>、NISSHA<7915>が堅調。また、資生堂は欧米を中心に販売が回復し、アナリスト予想を大きく上回ったことが材料視された。一方、先駆した海運株には利益確定売りが優勢となったほか、第1四半期が減益決算となった任天堂<7974>は大幅に反落した。また、上半期業績が当初計画を下回ったTHK<6481>は失望感から13%を超える急落に。

東京都の新型コロナの1日の新規感染者数が初めて5000人を超え、過去最多を記録するなど感染拡大が続くなか、国内景気の回復遅延が意識される展開は今後も続きそうで、相場の重しになりそうだ。また、米国でも新型コロナの変異株(デルタ株)の感染再拡大により、景気回復のピークアウト懸念がくすぶるなか、雇用統計の内容が重要だ。雇用者数の堅調な増加が見込まれているだけに、弱い内容となれば、長期金利の急低下や変異株懸念が投資家の不安心理をあおることにつながりそうで、統計の結果と米国市場の動きが気掛かり材料に。

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情報提供元: FISCO
記事名:「 日経平均はこう着も好決算銘柄への物色は活発【クロージング】