7日の日経平均は反落。276.26円安の28366.95円(出来高概算10億6000万株)で取引を終えた。前日の欧米市場では、6月の米ISM非製造業景況指数が予想以上に拡大ペースが鈍化したほか、ドイツZEW期待指数は1月以来の低い水準となるなど、世界景気の回復期待が後退。国内でも新型コロナウイルスの感染再拡大や上場投資信託(ETF)の分配金捻出を目的とした換金売りを警戒したヘッジ売りも散見され、寄り付き直後に一時28161.75円まで下押しした。売り一巡後は持ち直しを見せているものの、28300円を挟んだこう着に。

東証1部の騰落銘柄は、値下がり銘柄数が1700を超え、全体の7割超を占めた。セクター別では、精密機器を除く32業種が下落しており、鉱業、石油石炭、保険、鉄鋼、銀行など弱さが目立っていた。指数インパクトの大きいところでは、テルモ<4543>、NTTデータ<9613>、ヤマトHD<9064>、ミネベア<6479>がしっかり。一方、ファーストリテ<9983>、信越化<4063>、ソフトバンクG<9984>、キッコーマン<2801>が軟調だった。

シカゴ先物にサヤ寄せする形からギャップスタートとなり、ヘッジ対応の先物売りなどが膨らんだ。また、懸念されているETF分配金捻出のための売りが明日、明後日の2日間で約8000億円規模に達すると見られている。先回り的な動きが意識されるなか、指数寄与度の高い値がさ株中心に値を下げる銘柄が目立った。また、原油安を受けて石油関連や鉱業、商社株が値を消したほか、米金利の低下を受けて、金融セクターも冴えない展開に。一方、朝安で始まったレーザーテック<6920>やHOYA<7741>、村田製<6981>などハイテク関連株の一角がしっかりだった。

ETFの分配金捻出目的の売りなどにより需給不安が燻ることから、目先的には軟調な展開を強いられそうだ。また、投資家の関心は今月末から本格化する企業決算に移っており、業績内容を確認するまでは慌てて買い出動する必要はないと見る向きが多い。さらに、米国では6月開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨の発表が控えており、量的緩和の縮小や利上げのタイミングについての思惑などの反応を見極めたいところでもある。

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情報提供元: FISCO
記事名:「 世界景気の回復ペースの鈍化懸念やETF絡みの需給警戒【クロージング】