28日の欧米外為市場では、ドル・円は伸び悩む展開を予想する。欧州通貨買いは入りづらく、ドル選好地合いが予想される。ただ、米連邦準備制度理事会(FRB)の引き締め観測が広がるものの、長期金利の上昇は抑えられドル買いは限定的となりそうだ。

25日に注目された米経済指標のうちコア個人消費支出(PCE)価格指数は前年比で予想通り強含んだが、前月比の低調な内容が嫌気された。ただ、その後、米10年債利回りの上昇でユーロ・ドルは1.19ドル前半に失速し、ドル・円は110円80銭台に浮上。週明けアジア市場は米長期金利の上げ渋りで、全般的にドル買いはいったん収束している。また、豪シドニーでの新型コロナウイルス・デルタ株まん延で豪ドル売りに振れ、クロス円の失速によりドル・円は下押しされた。

この後の海外市場で重要イベントは予定されておらず、金利や株価が手がかりとなる。市場では、FRBによる引き締めとは対照的な欧州中銀(ECB)の慎重姿勢が注目されよう。また、英国内でのコロナ変異株が警戒され、欧州通貨売り・ドル買いの地合いが予想される。一方で、今週発表される米国の雇用統計を見極めたいムードが広がり、ドル買いは縮小する見通し。ドル・円は欧州通貨売りで上昇基調に振れやすい半面、引き続き111円付近の売りが一段の上昇を抑制するとみる。

【今日の欧米市場の予定】
・22:00 ウィリアムズNY連銀総裁BISオンライン討論会参加
・23:30 米・6月ダラス連銀製造業活動指数(予想:32.5、5月:34.9)

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情報提供元: FISCO
記事名:「 欧米為替見通し:ドル・円は伸び悩みか、米金利高抑制でドル買いは限定的に