米労働省が発表した1-3月期雇用コスト指数(ECI)は前期比+0.9%となった。伸びは10-12月期+0.7%から予想外に拡大し、2007年4-6月期以降14年ぶり最大。

同時刻に商務省が発表した3月個人所得は前月比+21.1%。伸びは2月に過去最大に落ち込んだのちプラスに改善した。伸びは統計が開始された1946年以降で最大を記録した。政府のパンデミック対応の経済対策の一環である国民への直接資金支給や失業保険支援などが全体指数を押し上げた。また、3月個人消費支出(PCE)は前月比+4.2%と、2月-1.0%からプラスに改善し昨年6月来で最大の伸びを記録。さらに、米連邦準備制度理事会(FRB)がインフレ指標として重要視している変動の激しい食品やエネルギーを除いた3月コアPCE価格指数は前年比+1.8%と、伸びは2月+1.4%から拡大。パンデミックにより経済が封鎖された昨年2月以降で最大となったものの、FRBの目標である2%には未達となった。

米3月個人所得やPCE、雇用コスト指数が予想以上に拡大したためインフレ懸念も強まりドル買いが優勢となった。ドル・円は108円90銭から109円00銭へじり高推移。ユーロ・ドルは1.2080ドルまで下落し28日来の安値を更新した。

【経済指標】
・米・3月コアPCE価格指数:前年比+1.8%(予想:+1.8%、2月:+1.4%)
・米・3月個人所得:前月比+21.1%(予想:+20.3%、2月:-7.0%←-7.1%)
・米・3月個人消費支出(PCE):前月比+4.2%(予想:+4.1%、2月:-1.0%)
・米・1-3月期雇用コスト指数:前期比+0.9%(前期比予想:+0.7%、10-12月期:+0.7%)

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情報提供元: FISCO
記事名:「 【市場反応】米3月個人所得は過去最大の伸び、コアPCE価格指数は予想通り、ドル堅調