30日の欧米外為市場では、ドル・円は伸び悩む展開を予想する。米連邦公開市場委員会(FOMC)やバイデン演説をこなし、長期金利の持ち直しでドル売りは縮小の見通し。ただ、来週の米雇用統計を見極めようと、過度なドル買いは抑制されそうだ。

今週開催されたFOMCで景気認識が上方修正されたほか、バイデン大統領の議会演説で早期正常化への期待が高まった。そうしたなか前日の米1-3月期国内総生産(GDP)が予想を上回ると米10年債利回りが上昇し、ドル買い優勢に。ユーロ・ドルは1.21ドル付近に軟化し、ドル・円は一時109円20銭台に浮上した。本日アジア市場では仲値にかけてドル買いが強まった後、日本の大型連休を控えドル買いは収束。ただ、ドル・円は下値の堅さが目立つ。

この後の海外市場では経済指標やそれを受けた金利、株価が手がかりとなりそうだ。ユーロ圏の域内総生産(GDP)などが堅調な内容となれば、ユーロ・ドルの持ち直しでドル・円への下押し圧力が見込まれる。ただ、連邦準備制度理事会(FRB)による資産買入れの段階的縮小(テーパリング)に対する見方は根強く、米長期金利が上昇すればドルはそれに追随しよう。もっとも、来週の雇用統計が意識され、週末・月末の売りがドルの一段の上昇を抑える可能性もあろう。

【今日の欧米市場の予定】
・17:00 独・1-3月期GDP速報値(前年比予想:-3.6%、10-12月期:-2.7%)
・18:00 ユーロ圏・1-3月期GDP速報値(前年比予想:-2.0%、10-12月期:-4.9%)
・18:00 ユーロ圏・4月消費者物価指数速報値(前年比予想:+1.5%、3月:+1.3%)
・18:00 ユーロ圏・3月失業率(予想:8.3%、2月:8.3%)
・21:00 南ア・3月貿易収支(予想:+260億ランド、2月:+290億ランド)
・21:30 米・3月個人所得(前月比予想:+20.0%、2月:-7.1%)
・21:30 米・3月個人消費支出(PCE)(前月比予想:+4.2%、2月:-1.0%)
・21:30 米・3月コアPCE価格指数(前年比予想:+1.8%、2月:+1.4%)
・21:30 米・1-3月期雇用コスト指数(前期比予想:+0.7%、10-12月期:+0.7%)
・22:45 米・4月シカゴ購買部協会景気指数(予想:65.3、3月:66.3)
・23:00 米・4月ミシガン大学消費者信頼感指数確報値(予想:87.5、速報値:86.5)



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情報提供元: FISCO
記事名:「 欧米為替見通し:ドル・円は伸び悩みか、ドル売り縮小も米雇用統計を見極め