5日の日経平均は3営業日続伸。235.25円高の30089.25円(出来高概算9億7236万株)と終値ベースとしては、3月18日以来の3万円を回復して取引を終えた。市場予想を上回る良好な米雇用統計を映して、主力株中心に買いが先行した。また、時間外取引での米株先物が堅調に推移していることもセンチメントの改善につながった。ただ、海外市場の祝日による影響から海外勢のフローは限られており、買い一巡後はこう着感の強い展開だった。

東証1部の騰落銘柄は、値上がり銘柄数は1400を超え、全体の7割近くを占めた。セクター別では、海運が5.52%と大きく上昇したほか、証券・商品先物、銀行、卸売、空運がいずれも2%超上昇するなど30業種が値上がりする一方、値下がりはサービス、精密機器、機械の3業種だった。指数インパクトの大きいところでは、ファーストリテ<9983>、ソフトバンクG<9984>、アドバンテス<6857>、KDDI<9433>が堅調。半面、リクルートHD<6098>、ダイキン<6367>、TDK<6762>、ファナック<6954>が軟調だった。

世界経済のエンジン役である米国景気の早期の回復期待を受け、東エレク<8035>は最高値更新と半導体関連が買われたほか、銀行や商社株など景気敏感株が堅調。また、こども庁関連などテーマ株を物色する流れも見られていた。ただ、今夜の欧州市場はイースター休暇で休場なうえ、中国や香港も清明節で休みとあって海外勢の動きは鈍く、商いは低調で出来高は1月18日以来約2カ月半ぶりに10億株割れとなる低水準だった。

日経平均は、日銀の政策変更などをきっかけに一時的に株価水準を切り下げたが、その後のリバウンドによって一目均衡表の雲上限を上抜け、地合いの強さが窺える。このため、目先的な調整場面は終了したとの指摘もあり、リバウンドが期待できそうだとの声も聞かれる。

また、米国では今夜、3月ISM非製造業景況指数が発表される。市場では2019年2月以来となる高水準が想定されているだけに、コンセンサス通りの結果になるのか、見極めたいとの声も聞かれる。6日には、国際通貨基金(IMF)が最新の世界経済見通しを公表する。前回1月予測から大幅な上方修正が見込まれており、世界的な景況感の改善を見込んだ「リフレトレード」が再び活発化するのかがポイントとなりそうだ。

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情報提供元: FISCO
記事名:「 リスク選好ムードが広がり3万円を回復【クロージング】