2日前場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。

■株式見通し:ハイテク主導ながらもバリュー株への物色も意識されやすい
■日電硝、21/12上方修正 営業利益220億円←200億円
■前場の注目材料:旭化成、半導体工場の復旧断念、生産委託を継続


■ハイテク主導ながらもバリュー株への物色も意識されやすい

2日の日本株市場は堅調な展開が見込まれる。1日の米国市場ではNYダウが171ドル高、ナスダックは233ポイント高となり、S&P500は初めて4000台に乗せて最高値を更新した。バイデン大統領が発表した大型インフラ計画が景気をさらに押し上げるとの期待のほか、3月ISM製造業景況指数が1983年来で最高を記録する良好な結果を好感。シカゴ日経225先物清算値は大阪比275円高の29675円。円相場は1ドル110円50銭台で推移している。

シカゴ先物にサヤ寄せする形から買い先行の展開となろう。米国では長期金利の低下を受けてハイテク株が買われており、SOX指数は続伸。グロース株主導ではあるものの、S&P500の最高値更新でバリュー株への物色もみられており、米財政出動を受けた世界的な景気回復への期待感が幅広い銘柄への物色に向かわせそうである。海外市場は2日がグッドフライデー(聖金曜日)の祝日により休場となるため、買い一巡後はこう着感が強まる可能性はあるだろう。しかし、押し目買い意欲は強いと考えられ、短期筋のショートカバーを誘う動きも意識されやすい。VIX指数は17台に低下しており、リスク選好の動きは継続。

日経平均は75日線を支持線としたリバウンドから足元では25日線での攻防を見せている。前日の上昇で29500円を回復し、目先的な達成感は意識されやすいものの、ギャプスタートで29500円を上放れてくる可能性が高く、25日線を明確に突破してくることが見込まれる。5日、25日線との短期ゴールデンクロス示現によりテクニカルシグナルも好転しており、センチメントは大きく改善してきそうだ。

物色の流れとしては米国同様、ハイテク主導ながらもバリュー株への物色も意識されやすい。朝方は指数インパクトの大きい値がさ株がインデックス買いを受けて強含む格好となろうが、その後はバリュー株への物色も広がりをみせてきそうだ。また、もち合いが続いていたナスダックは25日線を上放れてきており、連動性の観点からマザーズなど中小型株の物色も活発になろう。マザーズ指数は前日の上昇で75日線を突破してきており、直近戻り高値を射程に入れている。指数寄与度の大きい時価総額上位銘柄へ短期の値幅取り狙いの資金が集中しやすいと見られる。


■日電硝、21/12上方修正 営業利益220億円←200億円

日電硝<5214>は2021年12月期業績予想の修正を発表。営業利益は200億円から220億円に上方修正している。薄型パネルディスプレー(FPD)用ガラスの需要が好調で、想定を上回る出荷が続いている。同事業の生産性の改善も利益を押し上げる。自動車部品向けなどのガラスファイバーの出荷も増えており、業績見通しに反映した。


■前場の注目材料

・日経平均は上昇(29388.87、+210.07)
・NYダウは上昇(33153.21、+171.66)
・ナスダック総合指数は上昇(13480.11、+233.24)
・シカゴ日経225先物は上昇(29675、大阪比+275)
・SOX指数は上昇(3240.17、+115.23)
・VIX指数は低下(17.33、-2.07)
・米原油先物は上昇(61.45、+2.29)
・米長期金利は低下
・海外コロナワクチン接種の進展
・世界的金融緩和の長期化
・株価急落時の日銀ETF買い


・旭化成<3407>半導体工場の復旧断念、生産委託を継続
・村上開明堂<7292>無人工場、25年めど、ロボでミラー組み付け
・いすゞ<7202>UD買収完了、2430億円
・日立<6501>R&I、日立を「格下げ方向」に指定
・伊藤忠<8001>伊藤忠のドバイ廃棄物処理発電、9億ドル融資、JBICなど
・住友理工<5191>座面で心拍など計測、システム試作
・TPR<6463>イスラエル社と提携、発電機を事業化
・日本特殊陶業<5334>米でVBファンド設立
・栗本鐵工所<5602>3カ年中計で営業益38%増、鉄管・機械システム強化
・住友化学<4005>アクセンチュアと新会社、DX加速
・帝人<3401>低速EVプロトタイプ、豪AEVと共同開発


☆前場のイベントスケジュール

<国内>
・08:50 3月マネタリーベース(2月:前年比+19.6%)

<海外>
・特になし <ST>
情報提供元: FISCO
記事名:「 前場に注目すべき3つのポイント~ハイテク主導ながらもバリュー株への物色も意識されやすい~