1日前場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。

■株式見通し:一気に進んだバリューローテーションの修正
■ニトリ、21/2営業利益1376億円、22/2期1439億円見込みでコンセンサス範囲内
■前場の注目材料:ルネサス、「1カ月で再開」堅持、出荷回復3—4カ月


■一気に進んだバリューローテーションの修正

1日の日本株市場はハイテク株などへの物色が意識されそうである。3月31日の米国市場はNYダウが85ドル安の一方で、ナスダックは201ポイント高だった。バイデン大統領の発表を控え、大型インフラ計画が回復をさらに支援するとの期待を背景に買い先行で始まった。その後は月末、四半期末で利益確定売りが目立ったほか、増税や債務拡大への懸念に上値が抑制され、引けにかけてダウは下落に転じた。ハイテクは売られ過ぎとの見方から見直し買いが強まり、ナスダックの上昇に繋がっている。シカゴ日経225先物清算値は大阪比135円高の29345円。円相場は1ドル110円70銭台で推移している。

シカゴ先物にサヤ寄せする形から買い先行の展開となろう。また、アップルなどクオリティ株の一角が買われており、これが他のハイテク株への物色に波及する展開となったことから、バリューからグロース株選好に向かいやすいだろう。ハイテク株はバリューシフトが強まった3月は利食いの流れが続いていたこともあり、割高感は後退しているとみられる。今後バイデン政権の増税のほか長期金利の上昇に対する警戒感は燻るものの、一気に進んだバリューローテーションの修正が意識されやすい面もあるだろう。

海外市場は週末および週明けに祝日を控えていることからフローは限られてくると見られるものの、バイデン大統領の大規模なインフラ計画を手掛かりに先回り的に資金流入がみられてくる可能性も意識されやすい。日経平均は75日線を支持線としたリバウンドにより、足元では5日、25日線レベルでの攻防をみせている。5日線の切り上がりにより25日線との短期ゴールデンクロス示現も近づいている。名実ともに新年度相場入りとなるなか、押し目買い意欲は強そうだ。

また、ナスダックの上昇を背景に、マザーズなど中小型株への物色も意識されやすい。足元では直近IPO銘柄への物色が中心であり、物色の広がりはみられていないものの、足元の調整からグロースシフトが意識されてくるなか、指数寄与度の大きい時価総額上位銘柄への見直しも意識されてくるだろう。なお、菅首相は新型コロナウイルスの感染が再拡大している大阪府について、コロナ対策の特別措置法に基づく「まん延防止等重点措置」を適用する方針を表明した。今日にも大阪に初適用となることから慎重姿勢は強まる可能性がある一方で、コロナ抑制や対策に関連した材料株への物色が意識されやすい。


■ニトリ、21/2営業利益1376億円、22/2期1439億円見込みでコンセンサス範囲内

ニトリ<9843>が発表した2021年2月期決算は、営業利益が前期比28.1%増の1376億円だった。22年2月期は4.5%増の1439億円を見込んでいる。コンセンサス(1430億円程度)の範囲内となる。子会社化した島忠の業績が加わり、売上高は21.9%増の8736億円と35期連続の増収増益を見込む。


■前場の注目材料

・ナスダック総合指数は上昇(13246.87、+201.48)
・シカゴ日経225先物は上昇(29345、大阪比+135)
・SOX指数は上昇(3124.94、+80.40)
・VIX指数は低下(19.40、-0.21)
・海外コロナワクチン接種の進展
・世界的金融緩和の長期化
・株価急落時の日銀ETF買い


・日立<6501>米IT社1兆円買収、攻めのM&A加速
・富士フイルム<4901>古森会長退任、新社長に後藤氏
・東京製綱<5981>田中会長が辞任、TOBで決断、日鉄は評価
・ルネサス<6723>火災事故、半導体不足に拍車、車各社、生産計画見直し
・パナソニック<6752>マカフィーと車両セキュリティー事業化、サイバー攻撃を監視
・クボタ<6326>三菱マヒンドラと提携、農機の相互OEM拡充
・ハーモニック<6324>2段型遊星歯車減速機、ヘリカルギア搭載
・東洋エンジニアリング<6330>米エイトと包括協定、天然ガス処理技術で
・富士電機<6504>省スペース物品自販機、商品収納10種・220個
・富士通<6702>CVCファンド新設、100億円規模
・日立<6501>共済引受の緩和支援
・PSS<7707>東証プライム上場目指す、グローバル強化
・アステラス薬<4503>前立腺がん治療薬、欧で適応拡大勧告
・協和キリン<4151>米社に抗体開発許諾
・大日住薬<4506>米子会社、欧で前立腺がん薬販売申請
・三井化学<4183>メガネレンズ材拡販、米コストコに標準採用
・王子HD<3861>OPP生産能力1.6倍、電動車向けコンデンサー用


☆前場のイベントスケジュール

<国内>
・08:50 3月調査日銀短観・大企業製造業DI:(予想:-1、12月:-10)
・08:50 3月調査日銀短観・大企業非製造業DI:(予想:-4、12月:-5)
・08:50 3月調査日銀短観・大企業全産業設備投資:前年度比%(予想:-1.4%)

<海外>
・09:30 豪・2月貿易収支(予想:+98.72億豪ドル、1月:+101.42億豪ドル)
・10:45 中・3月財新製造業PMI(予想:51.4、2月:50.9) <ST>
情報提供元: FISCO
記事名:「 前場に注目すべき3つのポイント~一気に進んだバリューローテーションの修正~