29日のドル・円は、東京市場では109円80銭から109円37銭まで下落。欧米市場では、109円55銭から109円85銭まで上昇し、109円83銭で取引終了。本日30日のドル・円は主に109円台後半で推移か。米長期金利の高止まりを意識して、リスク回避的なドル売りは抑制される見通し。

米ホワイトハウスは3月29日、総額3兆ドルを上回る規模のインフラ計画の資金調達について、バイデン大統領が今月31日に公表すると発表した。サキ報道官は、「インフラ計画の費用負担についての計画もある」と指摘している。バイデン大統領は昨年の大統領選で法人税や富裕層の税率引き上げについて言及しており、多くの投資家は大規模増税の可能性は高いと考えている。ただし、債券市場参加者からは「増税プランの詳細が判明するまでは対応できない」との声も聞かれており、長期債利回りやイールドカーブの適正水準についての見方は分かれているようだ。大規模増税は為替相場にも大きな影響を与える。財政悪化の懸念後退はドル買い材料になり得るが、米長期金利の低下はドル売り材料になるとみられている。ドル相場の方向性について予断を持つことは難しくなりそうだ。


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情報提供元: FISCO
記事名:「 今日の為替市場ポイント:米長期金利高止まりでドル売り抑制も