24日前場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。

■株式見通し:物色の流れとしては個人主体の材料株などにシフト
■久光薬、21/2下方修正 営業利益106億円←129億円
■前場の注目材料:船井電機、秀和システム、240億円で船井電機買収


■物色の流れとしては個人主体の材料株などにシフト

24日の日本株市場は、引き続きこう着感の強い相場展開になりそうだ。23日の米国市場はNYダウが308ドル安だった。欧州で新型コロナウイルスが収束せずドイツがロックダウンを延長するなど、世界経済の回復に不透明感が広がった。長期金利の低下にもかかわらず四半期末にかけたリバランスなども影響しハイテク株も下落。引けにかけて、原油価格の下落、北朝鮮が短距離ミサイルを先週末に発射したとの報道を受けた地政学的リスク上昇への警戒感も強まり、下げ幅を拡大した。シカゴ日経225先物清算値は大阪比130円安の28680円。円相場は1ドル108円60銭台で推移している。

シカゴ先物にサヤ寄せする形から売り先行の展開から始まることになろう。ドイツのロックダウン延長に原油価格の下落、北朝鮮の地政学リスクが重なった格好であり、朝方はインデックスに絡んだ売りが集中しやすい。また、長期金利は低下しているものの、ハイテク株への反応がみられなかったこともあり、より方向感を掴みづらくさせそうである。ただし、外部要因の影響は早い段階で織り込まれると考えられ、基本的には年度末接近によって大きくポジションを傾けてくる流れにはなりづらいところである。大きく調整する場面においては、短期的なカバーを想定した押し目狙いのスタンスといったところ。

また、先週末から日経平均型からTOPIX型へのリバランスの流れが強まってきているが、目先的にはこの流れが一段と強まるかを見極めるところであろう。日銀のETF買い入れ対象の変更がきっかけとはなったものの、足元では過剰に反応している面もあるため、NTショートの巻き戻しも徐々に意識されてくる可能性はあるとみておきたい。とはいえ、長期金利の低下にハイテク株の反応がみられなかったこともあり、積極的な上値追いの流れは期待しづらいところである。

そのため、物色の流れとしては個人主体の材料株などにシフトしやすく、北朝鮮のミサイル発射報道を受けた防衛関連など、テーマ株などへは短期的な値幅取り狙いの資金が向かいやすそうである。


■久光薬、21/2下方修正 営業利益106億円←129億円

久光薬<4530>は2021年2月期業績予想の修正を発表。売上高は1270億円から1150億円、営業利益を129億円から106億円に下方修正している。20年7月に公表した業績予想においては、新型コロナ拡大が今期末にかけて緩やかに収束する前提で見通していた。しかし、第4四半期には緊急事態宣言の影響を受け、計画値を下回る見込みとなった。また、想定以上の売上高減少に伴い、結果として売上原価率が上昇した。


■前場の注目材料

・米長期金利は低下
・海外コロナワクチン接種の進展
・世界的金融緩和の長期化
・株価急落時の日銀ETF買い


・船井電機<6839>秀和システム、240億円で船井電機買収
・大日印<7912>仮想空間で顧客開拓、企業向け支援
・住友商事<8053>物流倉庫に最適な人員配置、6月めどツール実用化
・日産自<7201>EVの使用済み電池回収を本格化
・日本精工<6471>電動車駆動モーター用玉軸受、高速回転で小型化
・トヨタ<7203>足踏み式消毒スタンド好調、「カイゼン」で磨き
・スズキ<7269>印で乗用車値上げ、原価高響く
・不二家<2211>チョコ工場にロボ導入、個包装向けフィルム運搬
・エスペック<6859>ワクチンの小口保管庫、超低温域に対応
・日立建機<6305>商品戦略部を新設、市場別の開発迅速に
・日本ガイシ<5333>日揮グローバルとモンゴルで太陽光発電設備受注、NAS電池活用
・任天堂<7974>米社とアプリで提携、スマホ向け開発
・荒川化学<4968>5カ年中計、売上高25年度900億円、ロジン誘導体伸ばす
・神戸製鋼所<5406>溶接材料を10%超値上げ、5月納入分


☆前場のイベントスケジュール

<国内>
・08:50 日銀政金融政策決定会合議事要旨(1月20-21日分)

<海外>
・06:45 NZ・2月貿易収支(予想:+1.81億NZドル、1月:-6.26億NZドル) <ST>
情報提供元: FISCO
記事名:「 前場に注目すべき3つのポイント~物色の流れとしては個人主体の材料株などにシフト~