■NY株式:NYダウ127ドル安、小売売上高の予想以上の悪化に警戒

米国株式市場はまちまち。ダウ平均は127.51ドル安の32825.95ドル、ナスダックは11.86ポイント高の13471.57で取引を終了した。2月小売売上高や鉱工業生産、住宅市場指数が軒並み予想を下回ったため寄り付き後、下落した。連邦公開市場委員会(FOMC)の結果発表を控えていることや、連日で史上最高値を更新したのち、利益確定売りも目立ちダウは終日軟調に推移。一方で、長期金利の低下を好感し、ハイテク株は上昇した。セクター別では、半導体・同製造装置、メディア・娯楽が上昇した一方、エネルギーや自動車・自動車部品は下落した。

バイオのモデルナ(MRNA)は子供向け新型コロナウイルスワクチンの治験を開始すると発表し、上昇。コーヒーチェーンのスターバックス(SBUX)や携帯端末のアップル(AAPL)はアナリストによる投資判断引き上げや目標株価引き上げを受けて、それぞれ上昇した。一方、化粧品小売りのアルタ・ビューティー(ULTA)はアナリストの投資判断引き下げが嫌気され、下落。電動トラックメーカーのニコラ(NKLA)は株式発行による資金調達計画を発表し、下落した。

株式投資家の恐怖心理の度合いを示す指数、VIX指数は20割れで終了した。

Horiko Capital Management LLC



■NY為替:低調な2月米小売売上高などを嫌気してドル買い縮小

16日のニューヨーク外為市場でドル・円は、109円09銭から108円77銭まで下落し、108円99銭で引けた。2月米小売売上高や2月米鉱工業生産・設備稼働率は市場予想を下回ったため、長期金利の低下に伴うドル売りが優勢となった。その後、長期金利が反転したことから、ドルは下げ止まった。

ユーロ・ドルは1.1950ドルから1.1883ドルまで下落し、1.1905ドルで引けた。新型コロナウイルスワクチン接種計画の混乱で景気回復の遅れを懸念したユーロ売りや、欧州中央銀行(ECB)のパンデミック緊急購入プログラム(PEPP)拡大などハト派姿勢を織り込むユーロ売りが優勢となった。ユーロ・円は130円31銭から129円49銭まで下落した。ポンド・ドルは1.3861ドルから1.3906ドルまで上昇。ドル・スイスは0.9272フランまで上昇後、0.9243フランまで下落した。



■NY原油:続落で64.80ドル、一時64ドルを下回る

NY原油先物4月限は、続落(NYMEX原油4月限終値:64.80 ↓0.59)。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物4月限は、前営業日比-0.41ドルの64.80ドルで通常取引を終了した。時間外取引を含めた取引レンジは63.80ドル−65.43ドル。アジア市場の序盤で65.43ドルまで買われたが、利食い売りが強まり、まもなく反落。ニューヨーク市場の序盤にかけて63.80ドルまで下げ幅は拡大した。ただ、押し目買いも観測されており、時間外取引で65ドル台まで戻す場面もあった。



■主要米国企業の終値

銘柄名⇒終値⇒前日比(騰落率)

バンクオブアメリカ(BAC)  37.64ドル   -0.11ドル(-0.29%)
モルガン・スタンレー(MS) 82.54ドル   -1.32ドル(-1.57%)
ゴールドマン・サックス(GS)341.71ドル  -4.34ドル(-1.25%)
インテル(INTC)        64.78ドル   +0.99ドル(+1.55%)
アップル(AAPL)        125.57ドル  +1.58ドル(+1.27%)
アルファベット(GOOG)    2092.52ドル +26.03ドル(+1.26%)
フェイスブック(FB)     279.28ドル  +5.53ドル(+2.02%)
キャタピラー(CAT)      226.46ドル  -4.28ドル(-1.85%)
アルコア(AA)         29.52ドル   -1.52ドル(-4.90%)
ウォルマート(WMT)      133.39ドル  -0.04ドル(-0.03%) <ST>
情報提供元: FISCO
記事名:「 16日の米国市場ダイジェスト:NYダウ127ドル安、小売売上高の予想以上の悪化に警戒