9日の欧米外為市場では、ドル・円は伸び悩む展開を予想する。米長期金利が高水準を維持すれば、ドルは売り後退で下げづらい見通し。ただ、心理的節目の110円を意識した利益確定売りが見込まれ、一段の上昇を抑制しそうだ。

米バイデン政権の追加経済対策は今週末までの成立が期待され、前日の取引で米10年債利回りとNYダウが上昇。それを受けたドル買いでユーロ・ドルは1.18ドル半ばに下げ、ドル・円は109円を目指す展開に。本日アジア市場では米長期金利の上昇一服で米株式先物が強含むと日経平均株価も上げ幅を拡大し、ややリスク選好ムードが広がった。ドル・円は昨年6月以来となる109円台を回復。クロス円も欧米株高を見込んだ円売りに振れた。

この後の海外市場は引き続き長期金利と株価、欧州通貨の動向が注目材料。11日開催の欧州中銀(ECB)理事会でのハト派姿勢への思惑から、ユーロ買い・ドル売りのポジションの解消でドル・円は上昇基調を維持しよう。一方、米金利は前日より低下したが、欧米株高が予想されるためリスク選好的な円売りが主要通貨を押し上げる地合いになりやすい。ただ、ドル・円は心理的な節目である110円手前で利益確定を狙った売りが増えるとの見方もあり、もう一段のドル高を阻止する可能性がある。

【今日の欧米市場の予定】
・18:30 南ア・10-12月期GDP(前年比予想:-4.5%、7-9月期:-6.0%)
・19:00 ユーロ圏・10-12月期GDP確報値(前年比予想:-5.0%、改定値:-5.0%)
・03:00 米財務省・3年債入札

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情報提供元: FISCO
記事名:「 欧米為替見通し:ドル・円は伸び悩みか、米金利高継続も利益確定売りが重石に