8日の日経平均は3営業日続落。121.07円安の28743.25円(出来高概算15億1102万株)で取引を終えた。前週末の米国市場で、長期金利の上昇が一服したことなどから、主要株価指数が反発した流れを引き継ぎ、東京市場でも鉄鋼や銀行といった景気敏感株などを中心に買い戻しの動きが強まった。ただし、日経平均は寄り付き直後につけた29255.90円を高値に軟化しており、指数寄与度の大きい銘柄や半導体関連株の一角が下げに転じるなか、後場に入ると下落に転じている。

東証1部の騰落銘柄は、値上がり銘柄数は1200を超え、全体の5割超を占めた。セクター別では、鉱業が4.11%と大きく上昇したほか、鉄鋼、石油石炭、保険がいずれも2%超上昇するなど21業種が上昇。一方、その他製品、電気機器、ゴム製品、サービスなど12業種が下落した。指数インパクトの大きいところでは、KDDI<9433>、京セラ<6971>、オリンパス<7733>、アステラス薬<4503>、キヤノン<7751>が堅調だった。半面、ファーストリテ<9983>、ソフトバンクG<9984>、アドバンテス<6857>、エムスリー<2413>、東エレク<8035>が軟調だった。

米国で大規模な追加経済対策が近く成立する見通しとあって、世界経済のエンジン役である米景気の改善期待が投資マインドを改善させた。寄り付き段階でショートカバーの売買が集中する格好から日経平均は大きく反発して始まったものの、買い一巡後はこう着感の強い相場展開であった。高止まりしている米金利動向の行方も気掛かり材料であり、積極的に上値を追う雰囲気にはなっていない。加えて、週末に先物オプション特別清算指数算出(メジャーSQ)を控えていることもあり、大きくポジションを取りづらいであろう需給状況も影響しているとみられる。

引き続き1.6%前後と高止まりしている米金利動向を警戒している。このため、今夜発表される1月の米卸売物価指数、10日の10年国債入札などの結果を受けた米国金融市場の動きが注目される。また、メジャーSQを控え思惑的な売り買いが活発化する可能性から指数の変動幅は大きくなることも想定され、目先は不安定な値動きは続きそうだ。

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情報提供元: FISCO
記事名:「 買い戻し先行も、次第に買い見送りムード強まる【クロージング】