1日の日経平均は大幅反発。697.49円高の29663.50円(出来高概算12億5001万株)で取引を終えた。前週末の米国市場でハイテク関連株が堅調に推移した流れを引き継いで、前週末の急激な株価下落に対する買い戻しや自律反発を狙った買いが先行し、ほぼ全面高となった。また、米長期金利の上昇が一服したことなども投資家心理の改善を誘い、買い安心感につながっていた。

東証1部の騰落銘柄は、値上がり銘柄数が1900を超え、全体の9割近くを占めた。セクター別では、パルプ紙、情報通信、建設、小売など33業種すべてが値上がりした。指数インパクトの大きいところでは、ソフトバンクG<9984>、ファーストリテ<9983>、東エレク<8035>、アドバンテス<6857>、ダイキン<6367>が堅調だった。半面、シャープ<6753>、イオン<8267>、楽天<4755>などが軟化した。

米長期金利の上昇に一服感が出始めたことから、東京市場も個人投資家を中心に投資マインドの改善に寄与したようだ。関係者からは、これまでの相場上昇が急激だっただけに買い遅れていた向きも多く、株価水準の下落はむしろ投資の好機と捉えられているようだ。買いが一巡したあとは、伸び悩む場面もあった。ただ、大引けにかけては、時間外取引でのナスダック100先物が1%超の上昇となるなど、今夜の米国市場でのハイテク関連株の堅調展開を見越した先回り買いも散見され高値圏でもみ合っていた。

最近発表されている米経済指標は良好な物が目立っているだけに、米長期金利が再び急激に上昇するような場面があれば、世界的なグロース株の調整局面が到来し、日本株にも再度波乱含みの展開が予想される。ただ、米金利の上昇は内外金利差から円安を招き、輸出関連企業の業績にプラスに働くことも想定されるという側面もあるなど、強弱感が対立している。このため、米金利動向次第で値動きの荒い展開となる可能性は残るものの、目先は値固め局面と捉え、押し目買いスタンスで望みたい。また、米長期金利の動向を占う上でも今夜発表される2月の米ISM製造業景況指数には注目が集まりそうだ。なお、市場予想は好不況の分岐点である50を上回る58.9を見込んでいるようである。

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情報提供元: FISCO
記事名:「 急ピッチの下落の反動から買い戻しの動きが活発化【クロージング】