19日の日経平均は3営業日続落。218.17円安の30017.92円(出来高概算12億2374万株)で取引を終えた。前日の米国株が下落した流れを引き継ぐ格好から利益確定の売りが優勢となった。また、短期急騰に対する過熱感や週末のポジション調整売りなども散見され、一時29847.33円まで下落幅を広げる場面がみられた。一方で今の相場は企業業績の回復期待と金融緩和政策に伴う過剰流動性に支えられており、投資家は上昇トレンドが続くとの見方が大半のようだ。また、海外勢の買い余力が大きいとの見方から日本株の持たざるリスクにつながるなど押し目買い意欲は強く、引けにかけて若干下落幅を縮めており、終値では3万円を回復している。

東証1部の騰落銘柄は、値下がり銘柄数が1500を超え、全体の7割近くを占めている。セクター別では、鉱業、空運が3%超下落したほか、陸運、石油石炭、証券など30業種が下落。半面、海運、パルプ紙、精密機器の3業種が値上がりした。指数インパクトの大きいところでは、東エレク<8035>、アドバンテス<6857>、KDDI<9433>、日産化<4021>、太陽誘電<6976>などが堅調。一方、ファーストリテ<9983>、ファナック<6954>、中外薬<4519>、テルモ<4543>が軟調だった。

足元での米国株の不安定な地合いを受けて、投資家心理がやや悪化。市場では「米長期金利が1.3%台で高止まりしていることがグロース株にはネガティブ要因」との指摘も聞かれた。また、日経平均が30年半ぶりに3万円の大台を回復したことにより、利益確定に伴うファンドの解約売りや事業法人などによる持ち合い解消売りも出ているようだとの見方も出ていた。さらに、日銀は2月に入り、いまだに上場投資信託(ETF)買いを実施していないことから、方針転換への思惑から調整局面での需給の下支えが期待しづらく、次第に買い見送りムードが広がっていた。

足元では、世界的なリスク要因として、米長期金利の急上昇、コロナワクチンの変異種対応などがある。不確定要因が拭えないだけに、今後の状況を見極める必要があるだろう。また、来週は米国でコンファレンス・ボードによる消費者信頼感指数、耐久財受注、PCEコア・デフレーターなどの経済指標が発表される。米長期金利の上昇が急ピッチで進んでいるだけに、景況感の改善が示され、金利上昇が一段と進めば米国株主導での利益確定売りが波及してくる可能性もありそうだ。

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情報提供元: FISCO
記事名:「 米国株安や週末の持ち高調整売りなどで3日続落【クロージング】