29日の欧米外為市場では、ドル・円は底堅い値動きを予想する。米追加経済対策法案の成立などを受け、株高継続ならドルはリスクオンの売りが出やすい。ただ、新型コロナウイルス変異種のまん延が警戒されるなか、ドル買いは根強い。

前週末以降、英国と欧州連合(EU)との通商合意でブレグジットの混乱が回避されたことを受け、安全通貨売りに振れやすい地合いが続く。また、前日はトランプ米大統領による追加経済対策法案の署名で早期実施期待が株価を押し上げ、ドルと円の売りを支援した。本日アジア市場もその流れが受け継がれ、欧州やオセアニアの通貨は対ドルで上昇。一方、日経平均株価は30年超ぶりとなる27000円台に浮上し、日本株高を好感した円売りでドル・円は103円半ばから後半を維持した。

この後の海外市場でも、株高を背景に安全通貨売りの地合いが予想される。NY株式市場ではダウなど主要指数が過去最高値圏で推移しており、株高継続ならリスクオンのドル売りが先行しそうだ。ただ、米国内でのコロナ感染は年末年始休暇で、一段の拡大が警戒される。ファイザーなどが開発したワクチンの接種は始まったが、変異種への有効性は十分に示されておらず、経済への影響に懸念は続く。材料難のなか株高が一服し安全通貨売りが収束すれば、根強いドル買いが入りやすいだろう。

【今日の欧米市場の予定】
・23:00 米・10月S&PコアロジックCS20都市住宅価格指数(前年比予想:+6.95%、9月:+6.57%)
・03:00 米財務省・7年債入札

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情報提供元: FISCO
記事名:「 欧米為替見通し:「ドル・円は底堅い値動きか、株高継続もコロナ変異種警戒で根強いドル買い」