29日の日経平均は大幅に続伸。714.12円高の27568.15円(出来高概算10億2000万株)で取引を終えた。1990年8月以来の高値水準を回復している。追加経済対策法案の成立を好感した米国市場の流れを受けて買い先行で始まった日経平均は、米下院が追加経済対策法に盛り込まれた個人直接給付額を600ドルから2000ドルに差し替えるための法案を賛成多数で可決したと伝わるとあっさり27000円を回復。

これまで高値もち合いが続いていたことから27000円突破でヘッジ対応の巻き戻しとみられる動きが強まった。指数インパクトの大きいコア銘柄への買いが強まったほか、ダブルインバースの調整に伴う先物買いへの需給が意識されるなか、前場段階で27300円に迫る上昇を見せた日経平均は後場一段高となり、大引け間際には27600円を回復する場面もみられていた。

東証1部の騰落銘柄は値上がり数が1800を超えており、全体の8割を占めている。セクターでは鉱業、ゴム製品を除く31業種が上昇しており、空運の上昇率が4%を超えたほか、サービス、陸運、医薬品、情報通信、建設、不動産、電気機器、機械、海運の強さが目立った。指数インパクトの大きいところでは、ファーストリテが1社で日経平均を約140円超押し上げたほか、ソフトバンクG<9984>、東エレク<8035>、エムスリー<2413>、リクルートHD<6098>、ファナック<6954>、信越化<4063>が堅調。一方でJT<2914>が配当落ち分の影響から冴えなかった。

東証1部の売買代金は2.2兆円にとどまっており、薄商いのなかをインデックス主導の上昇となったようである。特に27000円を超えた直後から売りヘッジに絡んだ巻き戻しの流れが強まったようであり、商いが低水準のなかでより大きなインパクトにつながったようである。米下院が追加経済対策法に盛り込まれた個人直接給付額引き上げを賛成多数で可決したことがきっかけとなったが、共和党議員の多くが600ドルを上回る個人給付に反対している上院で可決となれば、もう一段の上昇が期待されてくることになりそうである。

日経平均は27000円を突破し一気に27500円を回復しており、過熱感が警戒される一方で、ロングポジションを積み上げておきたい流れも意識されやすい。1カ月のもち合いレンジを上放れたことからやれやれの売りも出やすいだろうが、27000円接近での押し目買い意欲は一段と強まろう。

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情報提供元: FISCO
記事名:「 出来高10億株ほどで1990年8月以来の高値水準を回復【クロージング】