27日前場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。

■株式見通し:業界再編機運の高まりが投資家の物色意欲を刺激する
■DyDo、21/1期上方修正、営業利益43億円←18億円、鬼滅缶が好調
■前場の注目材料:島津製、PCR装置参入、診療所向け低価格


■業界再編機運の高まりが投資家の物色意欲を刺激する

27日の日本株市場は米国市場の祝日の影響から商いは膨らまず、週末要因もあってこう着感の強い相場展開が見込まれる。ただし、昨日の強い値動きをみても、海外勢による日本株の積み上げに伴うニーズは高そうであり、押し目買い意欲の強さは意識されやすいところである。足元で海外勢の買い越し基調が続いているが、それでも今年は依然として売り越しである。また、アベノミクススタート時には期待感から買い越し基調であったが、その後は売り越し基調が続いていたこともあり、日本株の組み入れ比率は低い状態であろう。その中で今回の上昇によってドル建て日経平均がS&P500をアウトパフォームしている現状から鑑みるとファンド勢は組み入れを迫られている状態が続いているとも考えられる。

26日の欧州市場は米国市場の休場の影響から薄商いであり、小幅な値動きだったこともあり、さすがに日本市場もこう着感が強まると考えられるが、下値の堅さは意識されやすい。また、感謝祭明け後の米国の年末商戦への期待感も高まりやすく、年末商戦のネット売上高はコロナ禍において20~30%増との予測も出ている。さらに12月に入れば市場の関心はファイザーのワクチンの承認結果の行方に集中する。結果が判明される予定がちょうど日本のメジャーSQにあたる。足元での急ピッチの上昇で過熱感が警戒視される中ではあるが、ショート筋にとってみればニュートラルに近づけておきたいところであろう。

また、NTTドコモ<9437>による指数構成銘柄からの除外に伴い新規組み入れとなったシャープ<6753>が連騰を続けており、同様にTOPIXへの調整買いに伴う需給要因も底堅さにつながっている。12月前半にかけては中間配当金支払いに伴う再投資による需給面での下支えも意識されやすいところであり、目先的な調整場面においては積極的な押し目買いが入りやすいところであろう。

そのほか、三井不<8801>が東京ドーム<9681>にTOBをかける方針を固めたと報じられている。ここにきて様々な業界でM&Aの動きが活発化している。業界再編機運の高まりも投資家の物色意欲を刺激する形になると考えられ、業績面で苦戦している銘柄のほか、飽和状態にある業界の再編などへの思惑がより物色対象に広がりをみせてくることになりそうである。


■DyDo、21/1期上方修正、営業利益43億円←18億円、鬼滅缶が好調

DyDo<2590>は2021年1月期業績予想の修正を発表。売上高は1580億円から1560億円に引き下げたが、営業利益は18億円から43億円に上方修正している。人気アニメ「鬼滅の刃」とコラボした缶コーヒーが好調で、増益に転じる。


■前場の注目材料
・日経平均は上昇(26537.31、+240.45)
・日銀のETF購入
・米経済対策への期待
・コロナ向けワクチン開発の進展


・島津製<7701>PCR装置参入、診療所向け低価格
・阪急阪神<9042>学童保育から撤退、需要低迷にコロナ禍
・キリンHD<2503>豪乳飲料を売却、現地大手に409億円で
・東京製綱<5981>CFCC40億円受注、米バージニア州トンネル拡張事業で
・長瀬産業<8012>次期中計変更、「成長期」から「質の追求」へ
・三菱重<7011>豪社に出資、現地の水素事業開発に参画
・パナソニック<6752>「ジアイーノ」の25年度売上高目標5倍に
・エア・ウォーター<4088>GaN積層構造開発、低コスト、5G基地局用
・正興電<6653>にしけい・ドコモなど、5G警備ロボ映像実証
・旭化成<3407>食品鮮度でデータ基盤、クラウド型物流システム利用


☆前場のイベントスケジュール

<国内>
・08:30 11月東京都区部消費者物価指数(生鮮品除く)(前年比予想:-0.6%、10月:-0.5%)

<海外>
・10:30 中・10月工業企業利益(9月:前年比+10.1%)

<ST>

情報提供元: FISCO
記事名:「 前場に注目すべき3つのポイント~業界再編機運の高まりが投資家の物色意欲を刺激する