日経平均は続伸した。前日の米国株式市場では、ワクチンの実用化期待のほか、バイデン氏への正式な政権移行開始で政治的な不透明感が緩和、さらに次期財務長官に選出されたイエレン前FRB議長が大規模財政策を支持するとの期待が高まるなど好材料が相次ぎ、NYダウは3万ドルの大台に乗せて史上最高値で引けた。この流れを受けて、本日の日経平均もギャップアップでの大幅高でスタート。前場取引開始から30分内に26706.42円まで値を上げた。年初から日本株を売り越してきた海外投資家が引き続き先物を中心に買い戻しているところに、国内機関投資家なども追随して買いを入れる動きが上昇に拍車をかけたようだ。

しかし、急ピッチでの上昇に対する高値警戒感もあり、その後は利益確定売りが次第に優勢となっていった。また、後場に入ってからは、東京都が飲食店などに改めて営業時間の短縮要請を公表すると伝わったことで売りの動きが強まる展開に。結局、朝方の早い時間に高値を付けた後は大引けまでじりじりと上げ幅を縮小する展開となり、高値からの縮小幅は400円を超えた。

大引けの日経平均は前日比131.27円高の26296.86円となった。東証1部の売買高は15億4946万株、売買代金は3兆1507億円だった。セクター別では、空運業、海運業、鉄鋼、鉱業、非鉄金属などが上昇率上位に並んだ。一方、パルプ・紙、電気・ガス業、食料品、サービス業、陸運業などが下落率上位となった。東証1部の値上がり銘柄は35%、対して値下がり銘柄は全体の60%であった。

個別では、景気回復期待が高まるなか高炉の再稼働報道が後押し材料となった日本製鉄<5401>、小型車「ノート」を8年ぶりに全面改良すると発表した日産自動車<7201>、来期以降も国内外でのフィッシング用品の伸びが続くと想定し国内証券が格上げしたグローブライド<7990>などが大きく上伸した。一方、11月既存店増収率の鈍化が利益確定売りにつながった西松屋チェーン<7545>が急落したほか、同様の月次動向の鈍化が材料出尽くし感になった、しまむら<8227>も下落となった。そのほか、エムスリー<2413>や、値がさハイテク株のキーエンス<6861>といったグロース系銘柄の一部にも下落するものが見られた。また、高値更新が続いていた東京エレクトロン<8035>についても、本日も続伸する場面が一時みられたが、買い疲れ感もあり、引けにかけては地合いの悪化も相まって小反落した。



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情報提供元: FISCO
記事名:「 [相場概況]日経平均は続伸、高値警戒感が漂うなか営業時短要請で利益確定売りに拍車