22日の欧米外為市場では、ドル・円は戻りの鈍い値動きを予想したい。米追加経済対策の早期実施への期待後退で、ドルは前日の大幅安からリスクオフの買いにより修正される見通し。ただ、欧米株安なら円買いに振れ、ドルの上値を押さえそうだ。

新型コロナウイルスの米追加対策に関する与野党協議の主導権は、野党・民主党に移りつつある。民主党のペロシ下院議長は最高裁判事の人事を大統領選後に先送りさせる狙いで、追加対策の協議には慎重姿勢を維持。前日の取引では市場の早期実施期待からドルはリスクオンの売りで全面安に振れた。ただ、本日アジア市場では早期実施は困難との見方に変わり、前日のドル売りを修正する流れ。アジア株の軟調地合いを受け、ドルはリスクオフの買いが優勢に。ドル・円は円買いよりもドル買いに押し上げられ、104円後半に浮上した。

この後の海外市場でも、追加対策をめぐる与野党の攻防が注目される。ただ、今週中に協議が合意に達しても成立は大統領選後になるとの観測から、欧米株安基調に振れればリスクオフのドル買いが継続しよう。同時にリスク回避の円買いが見込まれ、ドルの前日からの戻りは限定的となる見通し。また、日本時間23日午前に行われる大統領選の候補者討論会が注目され、積極的な売り買いは手控えられよう。一方、高値圏に浮上したユーロは過熱感やユーロ高けん制への警戒から、一段の上昇は抑制されドルへの下押し圧力は弱まりそうだ。

【今日の欧米市場の予定】
・18:25 ベイリー英中銀総裁講演
・21:30 米・先週分新規失業保険申請件数(予想:87.0万件、前回:89.8万件)
・23:00 米・9月景気先行指数(前月比予想:+0.6%、8月:+1.2%)
・23:00 米・9月中古住宅販売件数(予想:630万件、8月:600万件)
・23:00 ユーロ圏・10月消費者信頼感指数速報値(予想:-15.0、9月:-13.9)
・02:10 米リッチモンド連銀総裁とサンフランシスコ連銀総裁がオンライン討論会出席
・米大統領候補の最後の討論会(日本時間23日午前)




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情報提供元: FISCO
記事名:「 欧米為替見通し:ドル・円は戻りの鈍い値動きか、欧米株安なら円買いがドル上昇を抑制