19日の日経平均は反発。260.50円高の23671.13円(出来高概算8億6259万株)で取引を終えた。先週末の米国市場は9月小売売上高や10月ミシガン大消費者信頼感指数速報値の予想以上の改善が材料視されたほか、新型コロナウイルス感染症の再拡大が警戒されている欧州市場は週末に上昇していたこともあり、先週末の下落に対するショートカバーの流れが先行した。23500円を回復して始まった日経平均は、その後もじりじりと上げ幅を広げており、前場半ばには23700円を回復している。後場は60円程度の狭いレンジでの取引となったが、3営業日ぶりに23600円を回復して終えている。

東証1部の騰落銘柄は値上がり数が1800を超えており、全体の8割を占めている。セクターでは東証33業種全てが上昇しており、海運、ゴム製品、鉄鋼、非鉄金属、不動産、空運、倉庫運輸が2%を超える上昇。指数インパクトの大きいところでは、ソフトバンクG<9984>、ファナック<6954>、中外薬<4519>、リクルートHD<6098>、セコム<9735>が堅調。半面、KDDI<9433>、ファーストリテ<9983>、コナミHD<9766>、富士フイルム<4901>が冴えなかった。

日経平均は3営業日ぶりに反発となり、一時10月9日以来の23700円を回復する場面もみられた。値上がり数が全体の8割を超える上昇であり、やや意外高の面はあったと考えられる。ただし、東証1部の売買代金は8月26日以来の1.7兆円を下回る薄商いであり、朝方のショートカバー一巡後はこう着感の強い相場展開だった。米大統領選や追加経済対策を巡る先行き不透明感は意識され積極的な売買は手控えられており、その中で先週後半の下落局面で積み上がったショートポジションをカバーする流れといったところであろう。

その他、グローベックスの米株先物ではNYダウ先物が160ドル高程度で推移していることも、売り方にとっては買い戻しを迫られる格好のようである。米国ではペロシ下院議長は大統領・議会選が行われる11月3日より前に追加景気対策法案で合意できるとの望みを失っていないとした上で、ホワイトハウスとの協議の期限を20日に設定したと伝えられており、失望に変わる可能性はあるものの、いったんニュートラルにしておきたいところでもあったようである。


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情報提供元: FISCO
記事名:「 週末の下落に対するショートカバーの流れが先行【クロージング】