15日の欧米外為市場では、ドル・円は下げ渋る展開を予想する。欧州通貨の買戻しを受け、ドルへの下押し圧力が続く見通し。ただ、米経済指標の低調な内容を受け株安継続の場合には、円買いの一方でリスクオフのドル買いが見込まれる。

英ジョンソン政権が設定する欧州連合(EU)との自由貿易協定(FTA)交渉の期限を迎えたが、決裂への懸念は後退しポンドが買い戻された。また、欧州での新型コロナウイルスの感染再拡大によるユーロ売りも一服し、前日は欧州通貨買いでドルが下押しされた。本日アジア市場でもその流れが受け継がれ、ドル・円は105円付近まで弱含む場面もあった。ただ、先行き不透明感から欧州通貨買いは続かず、ドルの下げを抑制。全般的にアジア株は軟調地合いとなったが、ドル・円は値ごろ感による国内勢の買戻しで値を戻している。

この後の海外市場では欧州通貨のほか米経済指標が材料視される。英国とEUによる本日と明日の協議次第では交渉を継続しない可能性もあり、先行きに関してはなお不透明感が根強い。そのためポンドは売りづらい半面、一段の買いは見込めずドル売りを抑制する要因となる見通し。他方、今晩発表の米経済指標はフィラデルフィア連銀製造業景況指数など製造業関連の弱い内容が予想され、株価の押し下げ要因になりやすい。前日の株安はリスク回避的な円買いを強めたが、今晩のドルはリスクオフの買いで下げづらい展開が続きそうだ。

【今日の欧米市場の予定】
・21:30 米・10月NY連銀製造業景気指数(予想:14.0、9月:17.0)
・21:30 米・10月フィラデルフィア連銀製造業景況指数(予想:14.3、9月:15.0)
・21:30 米・先週分新規失業保険申請件数(予想:82.5万件、前回:84.0万件)
・21:30 米・9月輸入物価指数(前月比予想:+0.3%、8月:+0.9%)
・22:00 ボスティック米アトランタ連銀総裁オンライン会議出席
・24:00 クオールズ米FRB副議長討論会出席
・24:00 カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁オンライン討論会出席
・EU首脳会議(16日まで)




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情報提供元: FISCO
記事名:「 欧米為替見通し:ドル・円は下げ渋りか、株安継続ならリスクオフのドル買いも