■NY株式:NYダウ405ドル安、 追加経済救済策への期待が後退

米国株式相場は反落。ダウ平均は405.89ドル安の27534.58ドル、ナスダックは221.97ポイント安の10919.59ポイントで取引を終了した。前日に主要ハイテク銘柄が大きく反発した流れを受けて上昇して寄り付いたものの、週次新規失業保険申請件数が予想外に増加したほか、原油安が嫌気され下落に転じた。追加パンデミック経済救済策を巡り共和党上院が提示した小規模な案を民主党が却下したため、速やかな合意への期待も後退し、引けにかけてはさらに下げ幅を拡大する展開となった。セクター別ではテクノロジー・ハード・機器、エネルギーが大きく下落した。

家具小売のRH(RH)はアナリスト予想を上回った決算が好感され急伸。音楽配信のスポティファイ(SPOT)や家庭用品小売りのベッド・バス・アンド・ビヨンド(BBBY)、ギャンブル施設運営のペン・ナショナル・ゲーミング(PENN)はアナリストの投資判断引き上げが好感され上昇。一方で、電気トラックメーカーのニコラ(NKLA)は一部アナリストが同社CEOが技術を誇張しパートナー企業を欺いているとの疑惑を指摘し急落した。原油安でエネルギー関連のEOGリソーシス(EOC)、オクシデンタルペトロリアム(OXY)は軒並み下落。

トランプ政権は、中国アプリ、ティックトックの米国事業売却を当初予定していた15日から期限延長を検討すると報じられた。

Horiko Capital Management LLC


■NY為替:米雇用回復ペースの鈍化を嫌気して円売り縮小

10日のニューヨーク外為市場でドル・円は105円98銭まで下落後、106円24銭まで上昇して106円13銭で引けた。米国の先週分新規失業保険申請件数が予想外に増加し、米国労働市場の遅い回復が嫌気されドル売りが優勢となった。その後、質への逃避のドル買いに下げ止まった。

ユーロ・ドルは、1.1917ドルまで上昇後、1.1810ドルまで下落して1.1814ドルで引けた。欧州中央銀行(ECB)は定例理事会で予想通り金融政策を据え置いたが、警戒されていたユーロ高是正措置には踏み込まず、また、メンバーの「ユーロ相場がファンダメンタルズに一致している」との見解が明らかになるとユーロ買いが再燃した。ユーロ・円は、126円46銭まで上昇後、125円32銭まで反落。共和党上院が提示した小規模な追加パンデミック救済策案を民主党が却下し、速やかな合意期待が後退しリスク回避の円買いが強まった。ポンド・ドルは、1.2994ドルから1.2774ドルまで下落した。英国と欧州連合(EU)の通商交渉が難航し、合意ない離脱への懸念が根強くポンド売りが続いた。ドル・スイスは0.9049フランまで下落後、0.9110フランまで上昇した。


■NY原油:反落で37.30ドル、原油在庫増加などを意識した売りが入る

NY原油先物10月限は反落(NYMEX原油10月限終値:37.30 ↑1.29)。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物10月限は、前営業日比-0.75ドルの1バレル=37.30ドルで取引を終えた。時間外取引を含めた取引レンジは36.93ドル−38.18ドル。米エネルギー情報局(EIA)が公表した週間在庫統計によると、原油在庫は減少予想に反して増加。需給ひっ迫の可能性は低下したことやユーロの反落も意識されたようだ。


■主要米国企業の終値

銘柄名⇒終値⇒前日比(騰落率)

バンクオブアメリカ(BAC)  25.14ドル   -0.37ドル(-1.45%)
モルガン・スタンレー(MS) 50.29ドル   -0.77ドル(-1.51%)
ゴールドマン・サックス(GS)200.01ドル  -2.21ドル(-1.09%)
インテル(INTC)        48.96ドル   -0.66ドル(-1.33%)
アップル(AAPL)        113.49ドル  -3.83ドル(-3.26%)
アルファベット(GOOG)    1532.02ドル -24.94ドル(-1.60%)
フェイスブック(FB)     268.09ドル  -5.63ドル(-2.06%)
キャタピラー(CAT)      149.86ドル  -2.83ドル(-1.85%)
アルコア(AA)         13.78ドル   -0.32ドル(-2.27%)
ウォルマート(WMT)      136.81ドル  -3.08ドル(-2.20%)

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情報提供元: FISCO
記事名:「 10日の米国市場ダイジェスト:NYダウ405ドル安、 追加経済救済策への期待が後退