■NY株式:NYダウ632ドル安、 米中関係悪化やハイテクが重し

米国株式相場は続落。ダウ平均は632.42ドル安の27500.89ドル、ナスダックは465.44ポイント安の10847.69ポイントで取引を終了した。トランプ大統領が中国との経済関係を大幅に縮小すると対中強硬姿勢を表明したほか、原油安を受けて投資家心理が悪化し、寄り付きから大きく下落した。引き続き主要ハイテク株への売りも広がり、終始軟調推移となった。セクター別ではテクノロジー・ハード・機器が下落した一方、自動車・自動車部品が上昇。

携帯端末のアップル(AAPL)はゴールドマンサックスが成長性に慎重な見解を示し投資判断及び目標株価を引き下げ下落した。電気自動車のテスラ(TSLA)は期待されていたS&P500指数への採用が見送られたため急落。一方、電気トラックメーカーのニコラ(NKLA)は、自動車のゼネラルモーターズ(GM)からの20億ドルの出資を受け、提携することを発表し両社とも急伸した。また、代替肉メーカーのビヨンドミート(BYND)は中国での生産計画が明らかになり上昇。

トランプ政権は強制労働が疑われるウイグル自治区産の綿花、トマト製品の輸入禁止措置をとる方針を示した。

Horiko Capital Management LLC


■NY為替:英国の合意なきEU離脱を警戒してポンド下落

8日のニューヨーク外為市場でドル・円は、106円28銭から105円86銭まで下落して106円02銭で引けた。トランプ大統領は「中国との経済関係を制限する意向」と強硬姿勢を強調し、米中対立懸念が強まったほか、追加財政策を巡る不透明感も存続し、リスク回避の円買いや米債利回りの低下に伴うドル売りが優勢となった。

ユーロ・ドルは、1.1806ドルから1.1766ドルまで下落して1.1777ドルで引けた。ドイツのシュルツ財務相は「新型コロナウイルスパンデミック対策で2021年予算で少なくとも追加で800億ユーロを費やす意向」と報じられ、ユーロは下げ止まった。ユーロ・円は、125円36銭から124円70銭まで下落。リスク回避の円買いが優勢となった。ポンド・ドルは、1.3056ドルから1.2980ドルまで下落した。英国の離脱を巡る欧州連合(EU)との通商交渉が難航し、合意ない離脱の可能性から英中銀が追加緩和に踏み切るとの見方も強まりポンド売りに拍車がかかった。ドル・スイスフランは、0.9193フランから0.9156フランまで下落した。


■NY原油:大幅続落で36.76ドル、欧米株安や需要減少予想などが嫌気される

NY原油先物10月限は大幅続落(NYMEX原油10月限終値:36.76 ↓3.01)。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物10月限は、前営業日比-3.01ドルの1バレル=36.76ドルで取引を終えた。時間外取引を含めた取引レンジは36.13ドル−39.59ドル。欧米株安やドル高を嫌気した売りが観測された。また、原油需要の減少予想が広がっており、投資家は一段と警戒を強めている。


■主要米国企業の終値

銘柄名⇒終値⇒前日比(騰落率)

バンクオブアメリカ(BAC)  25.48ドル   -1.06ドル(-3.99%)
モルガン・スタンレー(MS) 50.17ドル   -2.54ドル(-4.82%)
ゴールドマン・サックス(GS)202.48ドル  -8.46ドル(-4.01%)
インテル(INTC)        48.91ドル   -1.17ドル(-2.34%)
アップル(AAPL)        112.82ドル  -8.14ドル(-6.73%)
アルファベット(GOOG)    1532.39ドル -58.65ドル(-3.69%)
フェイスブック(FB)     271.16ドル  -11.57ドル(-4.09%)
キャタピラー(CAT)      148.52ドル  +0.34ドル(+0.23%)
アルコア(AA)         14.23ドル   -0.17ドル(-1.18%)
ウォルマート(WMT)      138.45ドル  -4.38ドル(-3.07%)

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情報提供元: FISCO
記事名:「 8日の米国市場ダイジェスト:NYダウ632ドル安、 米中関係悪化やハイテクが重し