欧州中央銀行(ECB)は定例理事会で政策金利や1.35兆ユーロ規模のパンデミック緊急購入プログラム(PEPP)の据え置きを決定した。また、インフレが目標に近づくまで、金利は現行またはそれ以下になるとのフォワードガイダンスも据え置いた。声明でQEは利上げ直前まで継続することや、PEPPも少なくとも2021年6月まで継続する方針を表明。PEPPでは購入する期間や種類などで柔軟性を保つとした。

ラガルド総裁は最近の指標で景気回復が示唆されており、域内の経済が4月で底入れした兆候が見られるとしながらも不透明感がかなり強く、見通しが下向きだと言及。大規模緩和が依然必要だと主張した。さらに、17日に会談を控えている欧州連合(EU)首脳に対し、欧州復興基金を速やかに承認する必要があると要請した。

ECBは現状でPEPPの拡大を見送り。EUの復興基金の行方や今後の景気動向を見極め慎重に判断していくと見られる。ECBの決定やラガルドECB総裁の会見後、ユーロは上昇。ユーロ・ドルは米国の良好な指標受け1.1400ドルまで小緩んだのち、1.1442ドルまで上昇し日中高値を更新。ユーロ・円は122円18銭から122円50銭まで上昇し昨日の高値に並んだ。




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情報提供元: FISCO
記事名:「 NY外為:ユーロ上昇、ECBは大規模緩和据え置き