15日の欧米外為市場では、ドル・円は底堅い値動きを予想する。欧米株高背景にリスクオンのドル売りが続き、下押し圧力が見込まれる。ただ、日銀による緩和的な金融政策の堅持で円売り基調に振れやすく、ドルは107円台を維持しそうだ。

前日は材料難のなか、米連邦準備制度理事会(FRB)当局者の発言が材料視された。ブレイナード理事は、資産購入の拡大を活用するべきと主張。また、セントルイス地区連銀のブラード総裁は下方リスクを意識しながらも、米国経済は下半期も成長を続けるとの見方を示している。そうした見解から、NY株式市場はリスク選好のムードが広がった。本日アジア市場でもその流れが受け継がれ、早朝は安全通貨のドルが売られる展開に。半面、日銀の緩和的な金融政策堅持を背景に円売りに振れ、ドルは107円台で底堅く推移した。

この後の海外市場では、株高を背景としたリスク選好ムードが続く見通し。日銀の政策決定は主要通貨を押し上げる支援材料となろう。そうしたなか、欧州連合(EU)の復興基金の進展期待が高まる一方、明日の欧州中銀(ECB)理事会では現行の金融政策維持が予想され、ユーロ・ドルが上げ渋ればドル・円への下押し圧力は弱まろう。他方、米国ではカリフォルニア州で新型コロナウイルスの感染再拡大を受けた制限措置が再実施されている。有事を回避するドル買いは続くとみられ、対円で107円を大きく割り込む展開は想定しにくい。

【今日の欧米市場の予定】
・17:00 南ア・5月消費者物価指数(前年比予想:+2.2%、4月:+3.0%)
・21:30 米・7月NY連銀製造業景気指数(予想:10.0、6月:-0.2)
・21:30 米・6月輸入物価指数(前月比予想:+1.0%、5月:+1.0%)
・22:15 米・6月鉱工業生産(前月比予想:+4.4%、5月:+1.4%)
・22:15 米・6月設備稼働率(予想:67.8%、5月:64.8%)
・23:00 カナダ中銀が政策金利発表(0.25%に据え置き予想)
・01:00 ハーカー米フィラデルフィア連銀総裁オンライン討論会参加
・03:00 米地区連銀経済報告(ベージュブック)




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情報提供元: FISCO
記事名:「 欧米為替見通し:ドル・円は底堅い値動きか、リスクオンで下押しも円売りが下支え