8日前場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。

■株式見通し:中国関連への物色も意識されやすいところ
■前場の注目材料:メガチップス、21/3上方修正 営業利益32.0億円←27.0億円
■パナソニック、自社製POS国内販売撤退


■中国関連への物色も意識されやすいところ

8日の日本株市場は、やや神経質な相場展開になりそうだ。7日の米国市場は、NYダウが396ドル安だった。感染が落ち着いたニューヨーク州やニュージャージー州が他州からの旅行者に対する一定期間の隔離要請を拡大する方針を示したことなどを受けて新型ウイルス拡大への懸念が強まった。シカゴ日経225先物清算値は大阪比125円安の22415円。円相場は1ドル107円50銭台で推移している。

シカゴ先物にサヤ寄せする格好から、やや売り優勢の相場展開になりそうである。ただ、新型コロナウイルス感染症についてはこれまでも相場の重石となっているため、改めて嫌気する流れというよりは、様子見姿勢につながりそうである。本日はETFの分配金支払いのための売り需要が警戒視されていることもあり、手掛けづらい相場展開になりそうである。

また、日経平均は心理的な支持線として意識される25日線や5日線辺りでの攻防になりそうであり、同水準での底堅さを見極めたいところであろう。5日線辺りに接近する局面となるようだと、短期筋の売り仕掛け的な売買が意識されやすいだろう。とはいえ、市場の関心はこのところ中国市場に向かっており、中国市場が強含みの展開となれば安心感につながりやすい。

なお、ブラックロックは中国の景気回復との密接な関連に加え、政策余地のあるアジアの一部市場(日本や韓国、台湾の株式・債券相場)が今後1年にわたり他の市場をアウトパフォームするとみていると伝えられている。中国関連への物色も意識されやすいところであり、相場全体の底堅さが意識されそうだ。そのため、品薄銘柄に対してはETFに絡んだ影響を受けやすいだろうが、流動性のある銘柄の底堅い展開が相場全体を下支えすることになりそうだ。

また、ニューヨーク州やニュージャージー州が他州からの旅行者に対する一定期間の隔離要請を拡大する方針を示したことを受けて、足元で調整が続いているバイオ関連などへは、短期的な値幅取り狙いの資金が向かいやすいだろう。


■メガチップス、21/3上方修正 営業利益32.0億円←27.0億円

メガチップス<6875>は2021年3月期業績予想の修正を発表。売上高は従来の605億円から550億円と減収を見込んでいるが、営業利益は27億円から32億円に上方修正している。SiTime社が連結子会社から持分法適用の関連会社となることに伴い、第2四半期以降の売上見込分を減額したこと、ゲームソフトウェア格納用LSIの需要が前回想定に対して堅調に推移していること等を反映した。


■前場の注目材料
・1ドル107円50-60銭
・米長期金利は低下
・日銀のETF購入
・米財政刺激策への期待
・コロナ収束後の業績回復期待


・パナソニック<6752>自社製POS国内販売撤退
・伊藤忠<8001>伊藤忠都市開発と埼玉・吉川市に物流施設、Eコマース拡大で需要増
・トヨタ<7203>車修理の見積もり自動化、AI・大量データ活用
・シンフォニア<6507>電磁クラッチなど次世代AGV向け提案
・凸版印<7911>eスポーツリーグ設立、今年度50社参加で6タイトル
・NEC<6701>DX基盤の設計概念統一、日・米・印で共同体制
・第一三共<4568>「エンハーツ」を欧で承認申請、乳がん向け
・日立金属<5486>黄銅棒・銅合金部品事業をサンエツ金属に譲渡
・大王製紙<3880>三島のバイオマス発電設備稼働


☆前場のイベントスケジュール

<国内>
・08:50 5月経常収支(予想:+1兆836億円、4月:+2627億円)

<海外>
・特になし

<ST>

情報提供元: FISCO
記事名:「 前場に注目すべき3つのポイント~中国関連への物色も意識されやすいところ