28日の日経平均は4日続伸。497.08円高の21916.31円(出来高概算20億8700万株)で取引を終えた。米国市場の強い流れを引き継ぐ格好から買い優勢の展開となり、経済活動再開への期待による物色が続いたインデックス買いが断続的に入る流れのほか、新型コロナの影響を大きく受けていたセクターへの見直しの流れが強まり、日経平均を押し上げる展開となった。

前引け間際に21900円を回復した日経平均は、中国の全人代が最終日を迎えるなか、香港の「国家安全法」採択への警戒から後場に入ると急速に売り込まれる局面もみられた。しかし、21500円を割り込まずに底堅い動きをみせると、大引けにかけてはショートカバーが優勢となり、引け間際には一時21926.29円と、上げ幅は500円を超えている。

東証1部の騰落銘柄は値上がり数が1500を超えており、全体の7割を占めている。セクターでは石油石炭、鉱業、海運が冴えない他は、30業種が上昇しており、鉄鋼、銀行、輸送用機器、ゴム製品、サービス、電気機器、保険、証券が強い。指数インパクトの大きいところでは、ファーストリテ<9983>、リクルートHD<6098>、ファナック<6954>、ソフトバンクG<9984>、京セラ<6971>、電通グループ<4324>が堅調。

銀行株などバリュー株への売買が活発だったこともあり、出来高は3月27日以来の20億株に乗せているほか、売買代金は4月末以来となる3兆円に膨れた。ファーストリテなど指数インパクトの大きい銘柄が指数を押し上げている影響も大きいが、バリュー株への見直しが強まったことも安心感につながり、指数上昇の一因となった。

また、ハンセン指数は、寄り付き後は上昇して推移していたが、日本時間の後場に入ると2%近い下落となり、中国による香港の「国家安全法」採択への警戒から日本株へも先物主導で売り仕掛けの動きがみられた。ただし、前場の上昇部分を打ち消す格好で急速に上げ幅を縮めたものの、売り仕掛けが一巡すると、反対に大引けにかけて買い戻しの流れが強まる展開であり、断続的なインデックス買いが入っているほか、売り込まれていたセクターへの見直しが強まる需給状況の中では、短期筋は踏まされる格好となっている。

明日は週末要因からオーバーウィークのポジションは積み上がりづらいだろうが、一方でショート筋においては、ポジションを減らしておきたいところであろう。



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情報提供元: FISCO
記事名:「 大引けにかけて買い戻しの流れが強まる展開【クロージング】